ワイン完全初心者向けに、ワインを「動物」に例えてご紹介

国別・地域別ワイン

チリのワイン【初心者向け徹底解説】

    チリは、南米を代表するワイン産地で、豊かな自然と安定した気候のおかげで高品質なワインが手ごろな価格で楽しめるのが魅力です。太平洋からの冷たい風とアンデス山脈からの冷気がブドウ畑を涼しく保ち、ブドウがゆっくり熟すため、果実味豊かでバランスの良いワインが生まれます。

    チリを代表する赤ワインといえば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」。特にマイポ・ヴァレーで作られるものは、熟したベリーの香りとスムーズな口当たりが特徴で、ステーキやグリル料理との相性が抜群です。また、チリ特有のブドウ品種「カルメネール」も注目の存在。まろやかな果実味とほんのりスパイシーな味わいがあり、ラム肉やスパイスを使った料理にぴったりです。

    白ワインでは「ソーヴィニヨン・ブラン」が人気で、カサブランカ・ヴァレーやサンアントニオ・ヴァレーで作られるものは、柑橘系やハーブの香りが爽やか。魚介料理やサラダと合わせると最高です。さらに、「シャルドネ」も豊かでリッチなスタイルからフレッシュで軽やかなタイプまで、幅広く楽しめます。

    近年、「ピノ・ノワール」や「シラー」といった赤ワインも品質が向上しており、軽やかで果実味豊かなものが多く、注目されています。また、チリはオーガニックやサステナブルなワイン生産にも力を入れていて、環境に配慮したワインが増えているのも特徴です。

    おや・・・?
    チリから、人気のブドウ品種たちが集まってきました。
    ワインの味はブドウ品種に左右されるので、ワインを飲むときはこの子たちの特徴を感じてみてください!

    カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)

    カベルネ・ソーヴィニヨンを動物に例えるなら、百獣の王「ライオン」。

    カベルネ・ソーヴィニヨンを使ったワインはしっかりとした力強い味わいを持ち、「赤ワインと言ったらこのガツンと来るパンチでしょ!」と言う人も多いです。あまりワインを飲まない人にとっては、一番最初にイメージする赤ワインの味がカベルネ・ソーヴィニヨンの印象に近しいはずです!
    ライオンのことは誰でも知っている・・・。百獣の王であるカベルネ・ソーヴィニヨンも、ワイン界では誰もが知っている超有名品種。これさえ覚えておけば、赤ワインの基本はマスターしたも同然ですよ!!

    カベルネ・ソーヴィニヨンの味わいは、王道の赤ワイン。

    濃厚な果実感や渋み(タンニン)がガオッとくる感じで、ずっしりとした味わいがライオンの咆哮のように口の中で響き渡ります。「軽めのワインだと何だか物足りない」、「今日は何かしっかりした”飲んでいる感”がほしい」、そんなあなたの期待にカベルネ・ソーヴィニヨンは100%答えてくれる。
    こんなワインには、赤身のお肉や濃厚な煮込み料理なんかを合わせたい・・・。そして身も心もライオンになってしまいたい・・・。

    カベルネ・ソーヴィニヨンの香りは、黒く・濃厚な果実。

    獲物に狙いを定めたライオンのように、ブラックベリーやカシスなどの濃厚な黒い果実感があなたの世界を包み込みます。しかも、熟成された大人のワインであれば、スパイスやレザーの香りも感じられてしまうなんて最高。香りを取るだけで、このワインは重くてしっかりした飲みごたえのある味わいだと分かってしまう。
    ああ・・・、私は今大平原の中で、この支配的な香りたちと一体になっている!もっともっと赤ワインで包み込んでくれ~~~。

    カルメネール(赤ワイン)

    カルメネールを動物に例えるなら、力強くて愛らしい「カピバラ」。

    親しみやすく穏やかな見た目ですが、その内側には意外な力強さと、自然に溶け込むたくましさを持っています。カピバラがゆったりとした存在感で周囲を和ませるように、カルメネールも力強い味わいと、その中にある柔らかな甘い風味で飲む人を包み込む。そんなカルメネールはチリ赤ワインの代表選手。
    どっしりと構えているけどなんだかすご~く愛らしい、そんなカピバラのイメージにピッタリですね!

    カルメネールの味わいは、見かけによらずパワー系。

    カルメネールの味わいは、カピバラが水辺でリラックスするような穏やかさと、芯の強さを感じさせます。
    熟したブラックチェリーやプラムの濃厚な果実味が広がり、そこにピーマンやスパイスのようなほのかな苦味がアクセントとなります。渋み(タンニン)や酸味はしっかりしていて、その色合いも非常に濃い!
    カピバラさんは愛くるしく見えて、実はすっごく力持ちなんですよ・・・?

    カルメネールの香りは、ビターチョコレート。

    ブラックベリーやブルーベリーの果実味豊かな香りに加え、タバコやコーヒーのようなスモーキーで温かみのある香りが漂います。また、ハーブやスパイスのニュアンスが全体に奥行きを与え、親しみやすさと複雑さが共存しています。
    そして何よりも感じるのは・・・、くんくんくん、ビターチョコレートの甘苦い香り!こんなにしっかりした色合い・味わいなのに、香りは甘いだと!?そのギャップにやられました。

    ソーヴィニヨン・ブラン(白ワイン)

    ソーヴィニヨン・ブランを動物に例えるなら、草原の「羊」。

    のどかな草原にいる羊のように、素朴で自然な雰囲気がありながら、そのふわふわした外見からは想像できないしっかりとした芯を持っています。羊が草原で風に吹かれながらリラックスしている姿が、このワインが持つ爽快なハーブや青っぽいネギのような香りを彷彿とさせます。
    ソーヴィニヨン・ブランで有名な産地はニュージーランド。私もこの草原に寝っ転がって、ニュー時ランドの羊たちと一緒に草の香りを噛みしめていたい・・・。

    ソーヴィニヨン・ブランの味わいは、グレープフルーツのようなきりっとした酸味。

    ソーヴィニヨン・ブランの味わいは、どんなときでもすっきり・さっぱりさせてくれる酸味が特徴的。
    まず感じるのは、グレープフルーツのような酸味の効いたフルーツ感。その後、ハーブや青りんごのような爽やかでグリーンなニュアンスが続き、軽やかな印象を残します。温暖な地域で作られるものでは、パッションフルーツやピーチのようなトロピカルな甘さが加わり、羊が太陽を浴びてのんびりしているような温かみを感じます。全体的に飲みやすく、でも後味にしっかりとした存在感を残すのが魅力です。
    そのきりっとした酸味が口の中を駆け巡る爽快感と言ったら、もう・・・。

    ソーヴィニヨン・ブランの香りは、ハーブやネギ。

    まず感じるのは、ハーブのような青々しい香り。日本人にとってはネギっぽい香りに感じるかもしれません。フルーツに例えるなら、グレープフルーツが一番そっくりだと言えそう。とにかく、何といってもすっきり爽快な香りが、あなたの全身を支配します・・・。
    ソーヴィニヨン・ブランの香りは、羊が草を食む草原の風景そのもの。ここまで草原間の感じられるワインは他にはないはず。ぜひ、羊飼いの気分になって、この爽やかさを体験してほしい!!

    シャルドネ(白ワイン)

    シャルドネを動物に例えるなら、気高き白い王「ユニコーン」。

    シャルドネは、白ワイン用のブドウとしては最も人気のある品種と言っても過言ではありません。ユニコーンがどんな環境でもその輝きを失わないように、シャルドネも冷涼な土地でも温暖な土地でも、さまざまなスタイルで美しく個性を発揮します。
    ユニコーンなんて言うと少し身構えてしまいそうですが、安心してください。シャルドネはみんながイメージするThe白ワインであり、カジュアルなものから高級なものまであなたの好みに合った表情を見せてくれます。ああ、やっぱりあなただけは絶対に私を裏切らない。ユニコーンさま・・・!

    シャルドネの味わいは、変幻自在。

    シャルドネの味わいは、まるでユニコーンの光が七色に輝くように、環境やスタイルによって変幻自在。
    冷涼な土地のものはレモンや青リンゴのような爽やかでシャープな味わいが特徴で、飲むとピュアで清らかな印象を受けます。一方、温暖な土地のシャルドネは、パイナップルや熟した桃のような濃厚でリッチなフルーツ感が広がり、バニラやトーストのような複雑な風味も加わります。樽熟成が加わると、クリーミーでバターのようなコクが生まれます。
    同じ品種でここまで楽しめるとは、さすがユニコーン。半端ないです。

    シャルドネの香りは、青リンゴや白桃。

    味わいが変幻自在ということは、香りももちろん変幻自在。
    冷涼な土地ではレモンや青リンゴのような酸味豊かなワインに、温暖な土地ではパイナップルや白桃のようなトロピカルな雰囲気に、樽で熟成させればバターのような雰囲気に。
    実はブドウ品種としてはこれといった大きな特徴はないのですが、だからこそ各地の特徴を存分に吸収したワインになってくれる。ああユニコーンよ、君は私のことをどこまで魅了してくれるんだい・・・?

    ピノ・ノワール(赤ワイン)

    ピノ・ノワールを動物に例えるなら、美しく気品高く飛び交う「蝶」。

    ひらひらと舞いながら軽やかに魅力を放ち、一瞬で心を奪われるような華やかさと繊細さを併せ持っています。その存在は儚げだけど、よく見ると模様や動きに奥深いストーリーが隠されている。まさにピノ・ノワールのように、じっくり向き合うとその複雑な魅力に引き込まれていきます。その魅力は世界中に届いているので、ワイン界では誰もが知っている超有名品種!絶対覚えてるべし。
    ああ・・・、この魅力的で軽やかな蝶とともに、エレガントに舞い上がっていきたい・・・。

    ピノ・ノワールの味わいは、上品な赤い果実。

    ピノ・ノワールの味わいとして、最初に感じるのは赤い果実の甘酸っぱさ。イチゴやラズベリー、クランベリーが口の中で軽やかに広がり、まるで蝶が花から花へと舞い移るように、明るく優しい印象を残します。
    その後、熟成によって現れる土っぽさやスパイスのニュアンスが、味わいに気品や深みを与え、まるで蝶が静かな森の奥へと飛び去っていくような後味。タンニン(渋み)はとても滑らかで柔らかく、口当たりが心地よいのが特徴です。
    とても複雑でエレガントな、そんな味わいを見せてくれるピノ・ノワール・・・。あなたはなんて美しいんだ。

    ピノ・ノワールの香りは、繊細なバラ。

    ピノ・ノワールの香りは、まるで蝶が舞う花畑のように華やかで繊細です。フレッシュなイチゴやチェリーの香りに加え、高貴なバラの香りが漂い、全体に気品を与えています。
    熟成されたピノ・ノワールになると、湿った森やキノコ、紅茶のような香りが顔を出し、蝶の鮮やかな羽模様の陰に隠れた繊細な模様を感じさせます。この香りは、吸い込むたびに新しい発見があり、飲む前から期待が膨らみます。
    力強いイメージを持つことが多い赤ワインですが、ピノ・ノワールの持つ繊細さにあなたも驚くことでしょう・・・。

    シラー/シラーズ(赤ワイン)

    シラー/シラーズを動物に例えるなら、ピリピリとした雰囲気溢れる「黒豹」。

    力強さならブドウ界随一!そのうえ、コショウのようなスパイシーさも兼ね備えている、とっても大胆なブドウ品種。しかも、フランスなどではシラーと呼ばれて、オーストラリアなどではシラーズと呼ばれているという、陰の実力者のような二面性を兼ね備えているという・・・。
    この濃厚でスパイシーな個性は、大地を駆ける黒豹のように大胆かつしなやかに、あなたのハートを鷲掴みすること間違いなし!やけどしないように気を付けな!

    シラー/シラーズの味わいは、パワフルなベリーの果実。

    パワフルで複雑。濃密なベリーの味わいが中心にあり、そこにコショウといったスパイスのピリッとした刺激が絡み合います。しかも、熟成させると絹のように滑らかに変化してくれるという。まさに変幻自在の黒豹のようだ・・・。
    この味わいは肉料理と完璧にマッチするので、今夜は黒豹のように荒々しく、野性味あふれる食事もいいですねぇ・・・。スパイシーなワインなので、コショウをふんだんに使った料理と組み合わせたらもう・・・(じゅるり)。

    シラー/シラーズの香りは、スパイシー。

    すでに何度も登場していますが、シラー/シラーズと言えばやはりそのスパイシーな香りが特徴的。ブラックベリーやブルーベリーといったダークフルーツの香りが鼻を過ぎたと思ったら、なんてエキゾチックなスパイス感・・・。これは大人気のブドウ品種と言われるのも納得。
    これだけ見ると元気いっぱいの肉食獣って感じですが、熟成させるとレザーやダークチョコレートのような深みまで登場しちゃうんですから、エレガンスさと力強さの両面を備えている黒豹のイメージにピッタリ!

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