ホークス・ベイは、ニュージーランドの北島の東海岸にあるワイン産地です。ニュージーランドといえば白のソーヴィニヨン・ブランが有名ですが、ここはメルロやシラーなどの赤で知られる、この国でも特に歴史の長い産地です。
このページでは、ホークス・ベイのワインの特徴とギンブレット・グラヴェルズのこと、主な品種と地区、マールボロやボルドーとの違い、ラベルの見方、合う料理を、初心者向けにわかりやすく紹介します。
ホークス・ベイのワインをひとことでいうと
・ニュージーランド北島の東海岸にある、国内で2番目に大きな産地です
・味わいは、果実味と上品な酸のバランスのよさ。ニュージーランドの赤を語るときに欠かせない産地です
ホークス・ベイはどんなところ?
ニュージーランドの北島の東海岸、太平洋に面したホーク湾の周りに広がる産地です。中心の町はネイピアとヘイスティングスで、ネイピアは1931年の大地震のあとに建てられたアール・デコの街並みでも知られています。
畑の面積は南島のマールボロに次いで国内で2番目です。果物の栽培もさかんな土地で、海の影響を受けながらも日照に恵まれ、ニュージーランドの中では暖かい気候です。この暖かさのおかげで、涼しい南島では熟しにくい品種もよく育ちます。
ワインの歴史は国内でも特に古く、1851年にカトリックの宣教師がブドウを植えたのが始まりとされています。このときの流れをくむミッション・エステートは、今も続くニュージーランド最古のワイナリーとして知られています。
ギンブレット・グラヴェルズとは
ホークス・ベイの赤を語るうえで欠かせないのが、ギンブレット・グラヴェルズという地区です。もとはナルロロ川が流れていた場所で、1867年の大洪水で川の流れが変わり、砂利の多い土地が残りました。
砂利の土地は水はけがよく、昼の熱をためこんで夜まで畑を暖めます。農地としては価値が低いとされてきましたが、1980年代からブドウが植えられるようになり、力強い赤が生まれることがわかってきました。今ではニュージーランドを代表する赤の銘醸地のひとつです。
ラベルに「Gimblett Gravels」と書かれていれば、この地区のブドウを主に使ったワインという目印になります。
ホークス・ベイの主なブドウ品種
赤はメルロを中心に、カベルネ系の品種やシラーが造られています。白はシャルドネが代表です。
| 品種 | 動物に例えると | ホークス・ベイでの味わいの傾向 |
|---|---|---|
| メルロ | ゴールデン・レトリバー | プラムのような果実味と、なめらかな口当たり。ブレンドの中心 |
| カベルネ・ソーヴィニヨン | ライオン | カシスの香りとしっかりした渋み。メルロとのブレンドが多い |
| シラー | 黒豹 | 黒こしょうのようなスパイスと、引き締まった果実味 |
| シャルドネ | ユニコーン | 桃や柑橘の香り。樽を使ったまろやかなタイプも多い |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 羊 | マールボロより穏やかな香りで、果実味がやわらかい |
ほかにカベルネ・フランやマルベックも、ブレンドの補助として使われます。
動物に例えると、海風の吹く丘をおだやかに歩くゴールデン・レトリバーの横に、黒豹がしなやかについてくるような産地です。管理人は少し重めの赤とシラーが好きなので、ホークス・ベイのシラーはぜひ試してみたい1本です。
マールボロやボルドーとの違い
メルロとカベルネのブレンドが中心なので、ホークス・ベイはボルドーと比べられることがよくあります。同じ国のマールボロやセントラル・オタゴとはかなり個性が違います。
| 比べる点 | ホークス・ベイ | マールボロ | ボルドー |
|---|---|---|---|
| 場所 | ニュージーランド北島の東海岸 | ニュージーランド南島の北東 | フランス南西部 |
| 気候 | 海の影響があり、国内では暖かい | 海に近く、日照が多い | 大西洋の影響を受ける温暖な気候 |
| 主役 | メルロのブレンド、シラー、シャルドネ | ソーヴィニヨン・ブラン | メルロとカベルネのブレンド |
| 赤の味わい | 果実味がきれいで親しみやすい | 軽やかなピノ・ノワール | しっかりした骨格で、熟成向きのものも多い |
主な地区の違い
海沿いから内陸の丘まで、土地の違いが大きい産地です。ラベルや造り手の紹介で、次の地名を見かけることがあります。
- ギンブレット・グラヴェルズ:川の跡の砂利の地区。力強い赤が中心
- ブリッジ・パ・トライアングル:ギンブレット・グラヴェルズの近くの地区。やわらかい果実味の赤が多い
- テ・マタ周辺の丘:ヘイスティングスの南東の丘陵。歴史のある造り手が集まる
- テ・アワンガ:海に近い涼しい地区。シャルドネなどの白に向く
代表的な造り手
産地の歴史や評価を支えてきた造り手を紹介します。
| 造り手 | 知っておきたいこと |
|---|---|
| ミッション・エステート(Mission Estate) | 宣教師のブドウ栽培から続く、ニュージーランド最古のワイナリー |
| テ・マタ・エステート(Te Mata Estate) | 19世紀から続く老舗。カベルネ主体の「コールレイン」が有名 |
| クラギー・レンジ(Craggy Range) | ギンブレット・グラヴェルズなどの畑から、単一畑のワインを造る |
| トリニティ・ヒル(Trinity Hill) | ギンブレット・グラヴェルズの開拓に関わった造り手。シラーの評価が高い |
| チャーチ・ロード(Church Road) | 歴史の長いワイナリー。シャルドネと赤のどちらも知られている |
ホークス・ベイのラベルの見方
表のラベルに産地名と品種名が書かれていることが多いです。ブレンドの赤は、品種名を並べて書く形を覚えておくと選びやすくなります。
| ラベルの表記 | 意味 | 選び方 |
|---|---|---|
| Hawke’s Bay | 産地名 | まずはこの文字を探す |
| Gimblett Gravels | 砂利の地区の名前 | 力強い赤を飲みたいときに |
| Bridge Pa Triangle | 地区の名前 | やわらかい赤を飲みたいときに |
| Merlot Cabernet | メルロとカベルネのブレンド | ボルドーと飲み比べても楽しい |
| Syrah | シラー | オーストラリアの「Shiraz」との違いを比べたいときに |
ホークス・ベイのワインに合う料理
赤は肉料理全般に、シャルドネは鶏肉やクリームを使う料理に合います。渋みが強すぎないものが多いので、家庭の料理にも合わせやすい産地です。
| 料理 | 合うワイン | 合う理由 |
|---|---|---|
| ステーキ | メルロのブレンド | 果実味としっかりした骨格が、肉のうまみに負けない |
| ラム肉 | シラー | スパイスの香りが、ラムの香りと重なる |
| 焼肉 | シラー | スパイスと果実味が、たれの濃い味に合う |
| ハンバーグ | メルロのブレンド | なめらかな果実味が、デミグラスソースとなじむ |
| ローストチキン | シャルドネ | まろやかな味わいが、皮の香ばしさとなじむ |
| グラタン | 樽を使ったシャルドネ | クリームのコクと、樽の香りが合う |
よくある質問
ニュージーランドなのに赤が有名なのですか?
はい。白で有名なのはマールボロのソーヴィニヨン・ブランですが、暖かいホークス・ベイではメルロやシラーがよく熟します。ニュージーランドの赤の幅広さがわかる産地です。
シラーとシラーズは違うワインですか?
同じ品種です。ホークス・ベイではフランスと同じ「Syrah」と書くことが多く、引き締まったスパイシーな味わいのものがよく見られます。
ボルドーの代わりになりますか?
品種の組み合わせは似ていますが、ホークス・ベイのほうが果実味が前に出やすいといわれます。代わりというより、飲み比べて違いを楽しむのがおすすめです。
初心者がはじめの1本を選ぶなら?
赤ならラベルに「Hawke’s Bay」と書かれたメルロのブレンド、白ならシャルドネがおすすめです。どちらも果実味があり、食事に合わせやすいです。




