フランスのワインというとボルドーやブルゴーニュが有名ですが、東の山あいには、ほかの産地とはひと味違うワインを造る「ジュラ」と「サヴォワ」という産地があります。
このページでは、ジュラ・サヴォワのワインの特徴と、代表的なブドウ品種、有名な「ヴァン・ジョーヌ」のこと、合う料理や選び方を初心者向けに紹介します。
ジュラ・サヴォワのワインをひとことでいうと
・どちらもフランス東部の山あいの産地。ジュラはブルゴーニュの東、サヴォワはアルプスのふもとにあり、スイスとの国境に近い地域です
・ジュラは個性派。サヴァニャンという白ブドウから造る「ヴァン・ジョーヌ(黄色いワイン)」が有名で、シャルドネや軽やかな赤も造られています
・サヴォワは山のごはんに合う、軽やかな白が中心。チーズフォンデュやラクレットと一緒に楽しまれてきた、すっきりしたワインが多い産地です
ジュラ・サヴォワってどんなところ?
ジュラは、ブルゴーニュの東、スイスとの国境に連なるジュラ山脈のふもとに広がる産地です。小さな産地ですが、ほかの地域にはない独特の造り方のワインがあり、ワイン好きのあいだで人気が高まっています。チーズの「コンテ」の産地としても知られています。
サヴォワは、ジュラの南、アルプス山脈のふもとにある産地です。レマン湖の南側からイタリアとの国境近くまで、山の斜面や湖のまわりに畑が点在しています。スキーリゾートの多い地域で、チーズフォンデュやラクレットなど、山のチーズ料理と一緒に地元のワインが飲まれてきました。
ジュラ・サヴォワのワインの特徴
- ジュラの名物は「ヴァン・ジョーヌ」:サヴァニャンという白ブドウから造り、樽の中で長く熟成させるあいだにワインの表面に酵母の膜ができることで、くるみやスパイスのような独特の香りが生まれます。「クラヴラン」と呼ばれる、ずんぐりした形の620mlのボトルに詰められます
- ジュラにはほかにも珍しいワインがある:ブドウを乾燥させて甘みを凝縮させる甘口の「ヴァン・ド・パイユ(わらのワイン)」や、ブドウ果汁にブランデーを加えた「マクヴァン」なども造られています
- サヴォワは軽やかな白が中心:ジャケールやアルテス、ルーサンヌ(現地ではベルジュロン)などの白ブドウから、すっきりした辛口の白が多く造られます
- どちらの産地にも泡がある:「クレマン・デュ・ジュラ」「クレマン・ド・サヴォワ」というスパークリングワインも造られています
ジュラ・サヴォワの代表的なブドウ品種
動物のイラストをタップすると、それぞれの品種の詳しい特徴がわかります。
シャルドネ(ユニコーン)|ジュラの白
ブルゴーニュでおなじみの白ブドウで、ジュラでも多く育てられています。ほかの産地と同じように造るすっきりしたタイプのほか、ヴァン・ジョーヌのように酵母の膜の下で熟成させた、ナッツのような香りのタイプもあります。ラベルや説明で、どちらのタイプかを確かめてから選ぶと安心です。
サヴァニャン|ヴァン・ジョーヌの主役
ジュラを代表する白ブドウです。酸味がしっかりしていて、長い熟成にも耐えられるため、ヴァン・ジョーヌはこの品種だけで造られます。シャルドネとブレンドした白にも使われます。このサイトではまだ動物の紹介記事がない品種です。
ピノ・ノワール(蝶)|ジュラ・サヴォワの赤
ブルゴーニュの赤でおなじみの黒ブドウで、ジュラ・サヴォワのどちらでも育てられています。ジュラでは、プールサール(プルサール)やトゥルソーという地元の黒ブドウも使われ、色の淡い、軽やかな赤が造られます。
ガメイ(レッサーパンダ)|サヴォワの軽い赤
ボジョレーで知られる黒ブドウで、サヴォワでも軽い赤に使われます。サヴォワの赤では、モンドゥーズという地元の黒ブドウも知られていて、こちらはスパイスのような香りのある、しっかりした赤になります。
ルーサンヌ(カナリア)|サヴォワでは「ベルジュロン」
ローヌの白ブドウとして知られる品種で、サヴォワでは「ベルジュロン」と呼ばれます。とくにシニャンという村の「シニャン・ベルジュロン」がよく知られています。サヴォワの白でいちばん多いのはジャケールという品種で、軽くてすっきりした味わいです。
ジュラ・サヴォワの主な産地名とワイン
ラベルには、品種名ではなく産地名やワインの種類が書かれていることが多いです。代表的な名前をまとめました。
| 名前 | 地域 | どんなワイン? |
|---|---|---|
| アルボワ | ジュラ | ジュラを代表する産地名。白・赤・ロゼ・ヴァン・ジョーヌなどが造られる |
| シャトー・シャロン | ジュラ | ヴァン・ジョーヌだけが名乗れる産地名 |
| コート・デュ・ジュラ | ジュラ | ジュラの広い範囲で造られるワイン。白・赤・ロゼ |
| ヴァン・ジョーヌ | ジュラ | サヴァニャンから造る、酵母の膜の下で長く熟成させた白 |
| ヴァン・ド・パイユ | ジュラ | 乾燥させたブドウから造る甘口 |
| ヴァン・ド・サヴォワ | サヴォワ | サヴォワの広い範囲で造られるワイン。後ろに村の名前がつくことも |
| ルーセット・ド・サヴォワ | サヴォワ | アルテスという白ブドウから造る白 |
| クレマン・デュ・ジュラ/クレマン・ド・サヴォワ | ジュラ/サヴォワ | それぞれの産地のスパークリングワイン |
ジュラ・サヴォワのワインに合う料理
| ワイン | 合う料理 | 合わせるポイント |
|---|---|---|
| ヴァン・ジョーヌ | コンテなどの熟成チーズ、きのこのクリーム煮 | ナッツのような香りが、熟成したチーズやきのこのうま味と重なる |
| ジュラのシャルドネ | 鶏肉のクリーム煮、グラタン | まろやかなコクが、クリームやバターの料理に合う |
| サヴォワの白(ジャケールなど) | チーズフォンデュ、ラクレット | すっきりした酸味が、とろけたチーズのコクを軽くする |
| ジュラ・サヴォワの軽い赤 | ハム・ソーセージ、ポトフ | 軽やかな赤が、塩気のある肉や煮込みのやさしい味に合う |
| クレマン | 前菜、揚げ物 | 泡と酸味で、食事のはじまりにも油の多い料理にも |
チーズ料理との合わせ方はチーズフォンデュ・ラクレットに合うワインやチーズに合うワインでもくわしく紹介しています。
よくある質問
はじめてのジュラ・サヴォワなら何を選べばいい?
飲みやすさで選ぶなら、サヴォワの白がおすすめです。すっきりした軽い味わいで、和食やチーズ料理にも合わせやすいです。ジュラの個性を知りたいなら、まずはジュラのシャルドネから。ヴァン・ジョーヌは香りが独特なので、ワインに少し慣れてから試すと、違いがよくわかります。
ヴァン・ジョーヌとシェリーは似ていますか?
どちらも、熟成中にワインの表面に酵母の膜ができることで、ナッツのような香りが生まれる点は似ています。ただし、シェリーはブランデーなどを加えてアルコールを強めた酒精強化ワインで、ヴァン・ジョーヌはアルコールを加えずに造ります。
ヴァン・ジョーヌは冷やして飲む?
よく冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、白ワインとしてはやや高めの温度で飲まれることが多いワインです。開けてからも香りが長持ちしやすいので、少しずつ楽しめます。
ジュラ・サヴォワとスイスのワインは似ていますか?
どちらもスイスとの国境に近いため、山のチーズ料理に合わせる軽やかな白が多いなど、共通点があります。サヴォワではスイスで多く育てられているシャスラという白ブドウも一部で使われています。







