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スイスワインの特徴とは?シャスラとアルプスのワインを初心者向けに解説

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    スイスは、アルプスの山々と大きな湖に囲まれた、知る人ぞ知るワインの国です。造られたワインのほとんどは国内で飲まれ、外国に出回る量はごくわずか。「スイスにワインがあるの?」と驚く方も少なくありません。

    このページでは、スイスワインの特徴と主役の白ブドウシャスラ、主な品種、6つの産地、代表的なワイン、ラベルの見方、合う料理を、初心者向けにわかりやすく紹介します。

    スイスのワインをひとことでいうと

    ・アルプスの斜面と湖のほとりで造られる、小さな山のワイン産地です

    ・白の主役はシャスラ、赤の主役はピノ・ノワール。南のティチーノではメルロが中心です

    ・味わいは、控えめな香りとやさしい酸。チーズ料理と自然になじみます

    スイスはどんなワインの国?

    スイスは、フランス・ドイツ・イタリア・オーストリアなどに囲まれた内陸の国です。地域によって話す言葉が違うように、ワインも隣の国の影響を受けて個性が分かれます。西のフランス語圏ではシャスラやガメイ、北のドイツ語圏ではピノ・ノワールやミュラー・トゥルガウ、南のイタリア語圏ではメルロが中心です。

    寒そうな山の国でブドウが育つのは、地形のおかげです。南向きの急な斜面が太陽の光をたっぷり受け、大きな湖が冬の寒さをやわらげます。ローヌ川の上流にあるヴァレーの谷では、「フェーン」と呼ばれる乾いた暖かい風もブドウを助けています。

    畑は小さく、急な斜面では手作業も多いため、たくさんは造れません。そのうえ国内でよく飲まれるので、外国に出回る量はごくわずかです。日本の店頭であまり見かけないのは、このためです。

    主役の白ブドウ「シャスラ」

    シャスラ(Chasselas)は、スイスでもっとも多く植えられている白ブドウです。レマン湖の周辺が故郷と考えられていて、スイスを代表する品種になっています。

    香りは控えめで、白い花や白い果実、ほのかな火打ち石のような印象。酸もおだやかで、派手さはありません。その分、畑の土や造り方の違いがそのまま味に出やすく、「土地を映す品種」として大切にされています。

    呼び名が変わるのも特徴です。ヴァレーでは「フェンダン(Fendant)」と呼ばれ、ヴォーでは品種名ではなく「デザレー(Dézaley)」のような産地の名前で売られることがよくあります。

    香りが強すぎず、繊細な料理のじゃまをしない点は、日本の甲州に通じるところがあります。和食には甲州が好きな管理人としても、同じ楽しみ方を試してみたくなる品種です。

    スイスの主なブドウ品種

    シャスラ以外にも、気候と言葉のちがいに合わせて、さまざまな品種が育てられています。

    品種動物に例えるとスイスでの味わいの傾向
    シャスラ—控えめな香りとやさしい酸。スイスの白の主役
    ピノ・ノワール蝶スイスでもっとも多く植えられている黒ブドウ。軽やかで香りのよい赤に
    ガメイレッサーパンダ果実味の明るい赤。ジュネーヴやヴォー、ヴァレーで造られる
    メルロゴールデン・レトリバー南のティチーノの主役。まろやかな赤のほか、黒ブドウから造る白もある
    ミュラー・トゥルガウウサギドイツ語圏のやさしい白。「リースリング・ジルヴァーナー」とも呼ばれる
    シルヴァーナー鹿ヴァレーでは「ヨハニスベルク」の名で造られる、厚みのある白

    動物に例えると、ウサギの名前にはスイスとの縁があります。ミュラー・トゥルガウは、スイスのトゥルガウ州出身のヘルマン・ミュラー博士が生み出した品種で、名前も博士と故郷に由来しています。

    ヴァレーには、ここでしか出会いにくい土着の品種もあります。白のプティット・アルヴィーヌ(Petite Arvine)やハイダ(Heida)、赤のコルナラン(Cornalin)やユマーニュ・ルージュ(Humagne Rouge)です。イタリア側のヴァッレ・ダオスタのような、アルプスの山のワインが好きな方におすすめです。

    スイスの6つの産地

    スイスのワイン産地は、大きく6つに分けられます。西から南へ、言葉も品種も変わっていきます。

    産地場所と言葉主なワイン
    ヴァレー(Valais)南西部、ローヌ川上流の谷。フランス語とドイツ語スイス最大の産地。フェンダン、ドール、土着の品種
    ヴォー(Vaud)レマン湖の北岸など。フランス語シャスラの白。世界遺産のラヴォーがある
    ジュネーヴ(Genève)レマン湖の西の端。フランス語ガメイの赤、シャスラの白
    三湖地方(Trois-Lacs)ヌーシャテル湖などの周辺。フランス語とドイツ語シャスラの白、ピノ・ノワールの赤とロゼ
    ドイツ語圏(Deutschschweiz)北部から東部。ドイツ語ピノ・ノワールの赤、ミュラー・トゥルガウの白
    ティチーノ(Ticino)アルプスの南側。イタリア語メルロの赤と白

    世界遺産の段々畑「ラヴォー」

    ヴォーのレマン湖の北岸には、「ラヴォー」と呼ばれるブドウの段々畑が広がります。石垣で支えた急な斜面が湖の近くまで続く景色で、2007年にユネスコの世界遺産に登録されました。中世に修道士たちが開いたとされる畑です。

    ここのブドウは「3つの太陽」に育てられるといわれます。空の太陽、湖面に反射する光、そして石垣にたまった熱の3つです。スイスの白の中でも、デザレーのように厚みのあるシャスラが生まれるのは、この土地のおかげです。

    高さの面でも、スイスの畑は特別です。ヴァレーのヴィスプテルミネンには標高1,000メートルを超える畑があり、ヨーロッパでもとくに高い場所にあるブドウ畑として知られています。登山とワイナリー巡りが好きな管理人にとっては、いつか歩いてみたい場所です。

    知っておきたい代表的なワイン

    スイスワインを探すときは、次の名前を覚えておくと便利です。

    ワインタイプ特徴
    フェンダン(Fendant)白ヴァレーのシャスラ。すっきりとして飲みやすい
    デザレー(Dézaley)白ラヴォーの名高いシャスラ。厚みがあり、熟成も楽しめる
    ドール(Dôle)赤ヴァレーの赤。ピノ・ノワールとガメイが中心のブレンド
    ウイユ・ド・ペルドリ(Œil de Perdrix)ロゼヌーシャテルで知られるピノ・ノワールのロゼ。名前は「ヤマウズラの目」の意味
    メルロ・デル・ティチーノ(Merlot del Ticino)赤ティチーノのメルロ。まろやかで果実味がある
    プティット・アルヴィーヌ(Petite Arvine)白ヴァレーの土着の品種。しっかりした酸と、ほのかな塩気を感じることも

    スイスワインのラベルの見方

    スイスには、地域ごとの産地呼称(AOC)があります。品種名の代わりに産地名や伝統的な呼び名が大きく書かれていることも多いので、次の言葉を手がかりにしてみてください。

    ラベルの表記意味選び方
    Valais / Vaud / Genève / Ticino産地名まずはこの文字を探す
    AOC産地呼称の表示産地が決められたワインの目安に
    Fendantヴァレーのシャスラチーズ料理に合わせたいときに
    Blauburgunderドイツ語圏でのピノ・ノワールの呼び名軽やかな赤を飲みたいときに
    Johannisbergヴァレーでのシルヴァーナーの呼び名厚みのある白を飲みたいときに
    Riesling-Sylvanerミュラー・トゥルガウの別名やさしい味わいの白を飲みたいときに

    スイスワインに合う料理

    チーズとじゃがいも、湖の魚が多いスイスの食卓には、軽やかな白がよく合います。和食の中でも、やさしい味つけの料理に向いています。

    料理合うワイン合う理由
    チーズフォンデュシャスラ(フェンダン)チーズのコクを酸がすっきりさせ、香りもじゃましない
    ラクレットシャスラ、軽いピノ・ノワール溶けたチーズとじゃがいものやさしい味に寄り添う
    湖の魚のムニエルシャスラバターの香りと淡白な魚を、控えめな白が支える
    きのこのリゾットティチーノのメルロまろやかな赤が、きのことお米のうまみになじむ
    湯豆腐シャスラ繊細な味を消さず、だしのうまみを引き立てる
    水炊きシャスラ鶏のやさしいスープに、穏やかな酸が合う

    よくある質問

    スイスワインが日本であまり売られていないのはなぜですか?

    生産量が少なく、ほとんどが国内で飲まれているためです。外国に出回る量はごくわずかで、日本では扱うお店が限られます。見つけたら試してみる価値があります。

    シャスラはどんな味ですか?

    香りは控えめで、白い花や白い果実を思わせます。酸もおだやかなので、強い個性より、やさしくすっきりした味わいが好きな方に向いています。

    チーズフォンデュに合うスイスワインは?

    定番はシャスラの白です。ヴァレーのフェンダンのほか、ヴォーのシャスラも合います。詳しくはチーズフォンデュ・ラクレットに合うワインで紹介しています。

    スイスに赤ワインはありますか?

    あります。スイスでもっとも多く植えられている黒ブドウはピノ・ノワールで、ドイツ語圏やヌーシャテルで造られています。ヴァレーのドール、ティチーノのメルロも代表的な赤です。

    初心者がはじめの1本を選ぶなら?

    白ならシャスラ(ヴァレーならフェンダン)、赤ならピノ・ノワールかティチーノのメルロがおすすめです。国境の向こうのジュラ・サヴォワのワインが好きな方にも、親しみやすいはずです。

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