中国は、ブドウ畑の面積が世界でも上位に入る国です。内陸の寧夏(ニンシア)を中心に、品質の高いワインが造られるようになっています。
このページでは、中国ワインの特徴と気候・主な産地、厳しい冬の寒さ対策、主な品種、代表的な造り手、合う料理を、初心者向けにわかりやすく紹介します。
中国のワインをひとことでいうと
・ブドウ畑の面積は世界でも上位。ワイン造りは19世紀の終わりから本格的に始まりました
・主役はボルドーの品種。カベルネ・ソーヴィニヨンや、中国で「蛇龍珠」と呼ばれる品種が中心です
・内陸の寧夏(ニンシア)が、いま品質の高さで注目されている産地です
中国はどんなワインの国?
中国というとお茶や紹興酒のイメージが強いかもしれませんが、じつはブドウ畑の面積が世界でも上位に入る国です(生で食べるブドウや干しブドウ用の畑も多く含みます)。
本格的なワイン造りが始まったのは、19世紀の終わりです。山東省の煙台(えんたい)で、ヨーロッパのブドウを植えたワイナリーが開かれたのが始まりとされています。その後、国内の需要が伸びた1990年代以降に生産が大きく増え、海外の品評会で賞をとるワインも出てくるようになりました。
日本ではまだ見かける機会が少ないものの、「これから伸びるワインの国」として世界から注目されています。
中国の気候と主な産地
国土が広いため、産地によって気候はまったく違います。大まかには、海に近い東部は雨が多く、内陸の北西部は乾燥していて、冬がとても寒いのが特徴です。
| 産地 | 場所 | どんなワイン? |
|---|---|---|
| 寧夏(ニンシア) | 内陸の北西部。賀蘭山(がらんさん)のふもと | いま品質でもっとも注目される産地。乾燥した気候で、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの濃い赤が中心 |
| 山東(シャンドン) | 東部の海沿い。煙台・蓬莱(ほうらい)など | 中国のワイン造りが始まった土地。大きな造り手が集まる |
| 新疆(シンジャン) | 西の果ての内陸 | 雨が少なく日差しが強い。広い畑で、量も多く造られる |
| 河北(ホーペイ) | 北京の近く | 北京に近い産地。大きな造り手の畑がある |
| 雲南(ユンナン) | 南西部の山あい | 標高の高い山の斜面に畑がある、新しい産地 |
はじめの1本を選ぶなら、ラベルに「Ningxia」と書かれた寧夏の赤がわかりやすいです。
冬にブドウの木を土に埋める?
寧夏や新疆などの内陸の産地は、冬の寒さがとても厳しく、そのままではブドウの木が凍って枯れてしまいます。そこで、秋の収穫が終わると木を倒して土をかぶせ、春になると掘り起こすという作業を毎年行っています。
手間はかかりますが、乾燥した夏と昼夜の寒暖差のおかげで、色が濃く、熟した果実味のあるブドウが育ちます。
中国の主なブドウ品種
| 品種 | 動物に例えると | 中国での使われ方 |
|---|---|---|
| カベルネ・ソーヴィニヨン | ライオン | もっとも多く植えられている赤。寧夏の主役 |
| 蛇龍珠(カルメネール) | カピバラ | 中国では「カベルネ・ゲルニシュト」の名で広まった赤。近年の研究でカルメネールと同じ品種とされる |
| メルロ | ゴールデン・レトリバー | カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドして、まろやかに |
| マルスラン(Marselan) | — | カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュを掛け合わせた新しい品種。中国で注目されている |
| シャルドネ | ユニコーン | 白の主役。すっきりしたものから樽の香りのものまで |
| リースリング | ペンギン | さわやかな酸の白に |
マルスランはこのサイトの品種図鑑にまだ入っていないため、動物の例えはありません。中国の赤は、ボルドーと同じライオン(カベルネ・ソーヴィニヨン)とゴールデン・レトリバー(メルロ)の組み合わせが基本です。
知っておきたい造り手
| 造り手 | 特徴 |
|---|---|
| 張裕(チャンユー、Changyu) | 山東省の煙台で生まれた、中国でもっとも歴史のある大手の造り手 |
| 長城(グレートウォール、Great Wall) | 中国を代表する大手の造り手のひとつ。河北などに畑をもつ |
| シルバー・ハイツ(Silver Heights/銀色高地) | 寧夏の家族経営の造り手。寧夏のワインが注目されるきっかけをつくった |
| アオ・ユン(Ao Yun/敖云) | フランスの高級ワインのグループが雲南の山あいで造る赤 |
日本では、中華料理店のワインリストや、輸入の多いワインショップで見つかることがあります。
中国のワインに合う料理
せっかくなら、中華料理と合わせてみるのがおすすめです。中華料理全般の合わせ方は「中華料理に合うワイン」で詳しく紹介しています。
| 料理 | 合うワイン | 理由 |
|---|---|---|
| 北京ダック・鴨料理 | 赤(カベルネ・ソーヴィニヨン、蛇龍珠) | 甘いみそと鴨の脂に、果実味と渋みが合う |
| 餃子 | 赤(メルロ)・白(シャルドネ) | 肉汁にはまろやかな赤、軽めの餃子には白 |
| 麻婆豆腐 | 赤(蛇龍珠、メルロ) | 辛さと香りの強い料理に、果実味のある赤がなじむ |
| 酢豚・回鍋肉 | 赤(カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロのブレンド) | 甘辛い味つけと、豚肉のうまみに負けない |
よくある質問
中国のワインはおいしいですか?
大量に造られる手ごろなワインから、海外の品評会で評価される高品質なワインまで、幅があります。品質の高さで選ぶなら、寧夏の造り手の赤から試すのがおすすめです。
中国のワインは日本で買えますか?
一般のスーパーではまだ少ないですが、中華料理店や、輸入の多いワインショップ・通信販売で見つかることがあります。ラベルの「Ningxia(寧夏)」「Shandong(山東)」が産地の目印です。
中国のワインと紹興酒は何が違いますか?
紹興酒は、もち米などの穀物から造るお酒(黄酒)です。この記事で紹介しているワインは、ブドウから造るお酒で、原料がまったく違います。




