アメリカのワインといえば西海岸のカリフォルニアが有名ですが、東海岸のニューヨーク州でもワインが造られています。「ニューヨークのワインって、どんな味?」と気になったことがある人もいるのではないでしょうか。
このページでは、ニューヨーク州のワインの特徴と代表的なブドウ品種、フィンガー・レイクスなど主な産地、ラベルの見方や合う料理を、初心者向けにわかりやすく紹介します。
ニューヨーク州のワインをひとことでいうと
・寒い冬と涼しい夏が育てる、酸味のきれいなワイン。アメリカの中では東海岸の涼しい産地で、カリフォルニアのような濃厚さより、すっきりした味わいが持ち味です
・いちばんの名物はリースリング。湖のそばに畑が広がるフィンガー・レイクスは、辛口から甘口までのリースリングで知られています
ニューヨーク州はどんなところ?
ニューヨーク州は、アメリカの東海岸の北にある州です。ニューヨークといえば大都会のイメージが強いですが、州の大部分は森や湖、農地が広がる自然豊かな土地で、ブドウ畑も州のあちこちにあります。
冬は寒さが厳しく、ブドウを育てるには難しい土地です。そこで畑は、大きな湖や海のそばに集まっています。水は温まりにくく冷めにくいため、湖や海の近くは冬の冷え込みや春の霜がやわらぎ、ブドウが育ちやすくなるのです。州の中ほどにある細長い湖が並ぶ「フィンガー・レイクス」と、大西洋に突き出た「ロング・アイランド」が、ワインの産地として特に知られています。
ニューヨーク州のワインの特徴
いちばんの特徴は、涼しい気候から生まれる、いきいきとした酸味です。ブドウがゆっくり熟すため、果実味は控えめで、すっきりと軽やかな味わいのワインが多く造られます。同じアメリカでも、日差しの強いカリフォルニアの濃厚なワインとは、かなり印象が違います。
白ワインではリースリングが代表で、辛口から甘口まで幅広く造られています。寒い冬を生かして、凍ったブドウからアイスワインを造る生産者もあります。また、ニューヨーク州ではヨーロッパ系の品種のほかに、アメリカ生まれのブドウや交配品種も育てられていて、ジュースやジャム用のブドウ畑も多いのが、ほかの産地とは違うところです。
ニューヨーク州の主なブドウ品種
動物のイラストをタップすると、それぞれの品種の詳しい特徴がわかります。
リースリング(ペンギン)
ニューヨーク州を代表する白ブドウです。寒さに強く、涼しい土地でも育つため、フィンガー・レイクスの湖のそばの畑で多く栽培されています。レモンや青りんごのような香りと、きりっとした酸味が特徴で、辛口・やや甘口・甘口と、甘さの違うワインが造られています。
カベルネ・フラン(猫)
フィンガー・レイクスやロング・アイランドで育てられている黒ブドウです。赤い果実の香りに、ピーマンやハーブのような青い香りがほんのり混じるのが特徴で、渋みはおだやか。涼しい気候のニューヨーク州では、軽やかで香りのよい赤ワインになります。
ピノ・ノワール(蝶)
涼しい土地を好む黒ブドウで、フィンガー・レイクスでも育てられています。いちごやさくらんぼのような香りと、やさしい渋みが特徴です。軽やかな赤や、スパークリングワインの原料にも使われます。
シャルドネ(ユニコーン)
世界中で育てられている白ブドウで、ニューヨーク州でも広く栽培されています。涼しい気候のため、樽の香りの強い濃厚なタイプより、酸味のあるすっきりしたタイプが多く見られます。
ニューヨーク州の主な産地 早見表
| 産地 | どんなところ | よく見るワイン |
|---|---|---|
| フィンガー・レイクス(Finger Lakes) | 州の中ほど。指のように細長い湖が並び、湖のそばの斜面に畑が広がる | リースリング、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、スパークリング |
| ロング・アイランド(Long Island) | 大西洋に突き出た細長い島。海に囲まれ、州の中では比較的おだやかな気候 | メルロ、カベルネ・フラン、シャルドネ |
| ハドソン・リヴァー(Hudson River Region) | ニューヨーク市の北、ハドソン川沿い。アメリカでも古くからワイン造りが行われてきた地域 | 小さな生産者の白・赤、アメリカ生まれのブドウや交配品種のワイン |
| レイク・エリー(Lake Erie) | 州の西のはし、エリー湖のそば。ジュース用のブドウ畑も多い | アメリカ生まれのブドウのワイン、リースリング |
ニューヨーク州のワインのラベルの見方
アメリカのワインらしく、ブドウ品種の名前が大きく書かれたラベルが多いので、品種から選びやすいです。産地は「New York」「New York State」のように州の名前で書かれるほか、より細かい産地として「Finger Lakes」「Long Island」などと書かれます。
リースリングを選ぶときは、甘さの表示に注目しましょう。「Dry Riesling」は辛口、「Semi-Dry」はやや甘口のことが多く、裏ラベルに辛口から甘口までの目盛りで甘さの目安が描かれていることもあります。甘さの選び方は甘口ワインの選び方も参考にしてください。
ニューヨーク州のワインに合う料理
| ワイン | 合う料理 |
|---|---|
| リースリング(辛口) | カキやホタテなどの貝料理、白身魚の塩焼き、天ぷら |
| リースリング(やや甘口) | タイ料理などのエスニック料理、豚の生姜焼き、甘辛い鶏の照り焼き |
| カベルネ・フラン | ハーブを使った鶏肉のロースト、焼き鳥(たれ)、トマト煮込み |
| ピノ・ノワール | 鴨のロースト、サーモンのソテー、きのこ料理 |
| シャルドネ | クリームパスタ、グラタン、ロブスターやエビの料理 |
ニューヨーク州のワインのよくある質問
カリフォルニアのワインとの違いは?
いちばんの違いは気候です。西海岸のカリフォルニアは日差しが強く暖かい産地が多く、果実味の濃い、力強いワインになりやすい傾向があります。東海岸のニューヨーク州は涼しく冬が厳しいため、酸味が高く、軽やかですっきりしたワインが中心です。濃い赤が好きならカリフォルニア、さっぱりした白や軽い赤が好きならニューヨーク州、と覚えておくと選びやすくなります。
フィンガー・レイクスとはどこですか?
ニューヨーク州の中ほどにある、指のように細長い湖がいくつも南北に並ぶ地域です。湖のおかげで冬の寒さがやわらぎ、斜面に広がる畑でブドウが育ちます。特にリースリングの産地として知られていて、ドイツのモーゼルのように、涼しい土地のリースリングが好きな人におすすめです。
はじめてのニューヨーク州のワインは何を選べばいい?
まずはフィンガー・レイクスのリースリングがおすすめです。辛口なら「Dry Riesling」、少し甘さがあるほうが飲みやすい人は「Semi-Dry」を選ぶとよいでしょう。赤を試すなら、軽やかなカベルネ・フランで、ニューヨーク州らしい涼しげな味わいを楽しめます。
ニューヨーク州のワインは日本でも買えますか?
カリフォルニアのワインにくらべると数は少ないですが、ワイン専門店や輸入ワインを扱う通販で見つかります。ラベルに「Finger Lakes」や「New York」と書かれたものを探してみてください。見つからないときは、同じく涼しい気候のオレゴンやワシントン州のワインで、アメリカの冷涼な産地の味わいを楽しむのもおすすめです。







