岩手は、日本の山に自生する「山ぶどう」のワインに出会える産地です。本州の北の冷涼な気候で育つブドウは酸がきれいに残り、すっきりした白ワインと、色が濃く酸の強い山ぶどう系の赤ワインが造られています。
岩手のワイン造りの特徴
岩手は本州の北にある、冷涼な気候の県です。ブドウがゆっくり熟すため、酸がしっかり残った、すっきりした味わいのワインが多くなります。
もうひとつの特徴は、日本の山に自生する山ぶどうです。岩手は山ぶどうの栽培が盛んな県として知られ、山ぶどうや、山ぶどうをかけ合わせた品種から、色が濃く酸の強い個性的な赤ワインが造られています。ヨーロッパの品種だけでなく、日本の山の果実を生かしたワインがあるのが岩手らしさです。
主な産地とワイナリー
花巻市大迫町(おおはさま)
早池峰山(はやちねさん)のふもとにある、岩手を代表するブドウ産地です。町のワイナリー「エーデルワイン」が、地元のブドウでワインを造っています。白はリースリング系の品種を使った、さわやかな酸のワインが知られています。
葛巻町(くずまき)
牧場と山に囲まれた町で、「くずまきワイン」が山ぶどうを使ったワインを造っています。山ぶどうのワインは、野性味のある香りと強い酸が特徴で、ほかの産地ではなかなか出会えない味わいです。
紫波町(しわ)
盛岡市の南にある果樹の町で、町内で育てたブドウを使うワイナリーがあります。盛岡から近く、出かけやすい産地です。
代表的なブドウ品種
- 山ぶどう:日本の山に自生するブドウ。色が濃く、酸が強く、野性味のある赤ワインに
- ヤマ・ソーヴィニヨン:山ぶどうとカベルネ・ソーヴィニヨンをかけ合わせた品種。寒さに強く、山ぶどうの酸とカベルネの骨格をあわせ持つ
- リースリング系の白ブドウ:冷涼な気候で酸がきれいに残り、柑橘を思わせるさわやかな白ワインに
- シャルドネ、メルロ:ヨーロッパ系の品種も育てられている
山ぶどうのワインはどんな味?
山ぶどうのワインは、一般的な赤ワインとはかなり印象が違います。
| 山ぶどうのワイン | 一般的な赤ワイン(メルロなど) | |
|---|---|---|
| 色 | 黒に近いほど濃い紫 | ルビー色〜濃い赤 |
| 酸味 | とても強く、きりっとしている | 穏やか〜ほどよい |
| 渋み | 比較的少なめ | 品種によってしっかり |
| 香り | ベリーのジャムのような濃い果実と、野性的な香り | 品種ごとの果実やスパイスの香り |
酸が強いので、甘みを残した飲みやすいタイプや、ほかの品種とブレンドしたタイプもあります。初めて飲むなら、ラベルの説明で「甘口」「辛口」を確かめてから選ぶと安心です。
岩手のワインに合う料理
三陸の海の幸と、内陸の牛肉や麺料理が岩手の味です。魚介にはすっきりした白、肉には山ぶどう系の赤が合わせやすいです。
| 料理 | 合うワイン | 合う理由 |
|---|---|---|
| 三陸のカキ | リースリング系の白、シャルドネ | きりっとした酸が、カキの磯の香りとうま味を引き立てる(牡蠣に合うワイン) |
| ウニ・ホタテの刺身 | リースリング系の白 | 冷涼な産地の酸が、甘みのある魚介をすっきりさせる(刺身に合うワイン) |
| 前沢牛などの牛肉のステーキ・焼肉 | ヤマ・ソーヴィニヨン、メルロ | 赤身のうま味に、果実味と酸のある赤が合う(ステーキに合うワイン・焼肉に合うワイン) |
| 盛岡じゃじゃ麺 | 山ぶどうのワイン(やや甘口) | 肉みその甘辛い味と、山ぶどうの濃い果実味と酸がなじむ |
| ジンギスカン | ヤマ・ソーヴィニヨン | 羊肉のくせとたれの甘みに、野性味のある赤が負けない(ラム肉に合うワイン) |
岩手と山形・北海道のワインの違い
| 産地 | 特徴 | 代表的な品種 |
|---|---|---|
| 岩手 | 本州の北の冷涼な産地。山ぶどうの栽培が盛ん | 山ぶどう、ヤマ・ソーヴィニヨン、リースリング系の白 |
| 山形 | 盆地で昼夜の寒暖差が大きい。果樹王国 | デラウェア、マスカット・ベリーA |
| 北海道 | 日本でいちばん涼しい産地。ドイツ系の品種が多い | ケルナー、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワール |
日本ワインの表示ルールは日本ワインと国産ワインの違い、日本のほかの産地は日本のワインで紹介しています。
よくある質問
山ぶどうのワインは初心者でも飲みやすいですか?
酸がとても強いので、辛口だと驚くかもしれません。最初は甘みを残したタイプや、料理と一緒に少しずつ飲むのがおすすめです。肉みそや甘辛いたれの料理と合わせると、酸がまろやかに感じられます。
岩手のワインはどこで買えますか?
ワイナリーの直売所や道の駅のほか、県内の酒店や百貨店、ワイナリーの通信販売で見つかります。
岩手のワイナリーは見学できますか?
売店やレストラン、試飲コーナーのあるワイナリーもあります。営業日や予約の有無はワイナリーごとに違うので、出かける前に公式サイトで確認してください。







