イスラエルは、地中海の東にある国です。聖書の時代からワインが造られてきた古い土地ですが、いまは涼しい高地で造る、品質の高いワインの産地として注目されています。
このページでは、イスラエルワインの特徴と主な産地、主な品種、よく見かける「コーシャ」という言葉の意味、代表的な造り手、合う料理を、初心者向けにわかりやすく紹介します。
イスラエルのワインをひとことでいうと
・聖書の時代から続く、とても古いワインの土地です
・いまのような品質のワインが広まったのは、1980年代以降。比較的新しい産地として注目されています
・カベルネ・ソーヴィニヨンなどフランスの品種が中心。宗教の決まりに沿った「コーシャ」のワインが多いのも特徴です
イスラエルはどんなワインの国?
イスラエルは、地中海の東に面した国です。このあたりは、ワイン造りがもっとも古くから行われてきた地域のひとつで、旧約聖書にもブドウやワインが何度も登場します。
いっぽうで、いまのような品質のワイン造りが広まったのは比較的最近です。19世紀の終わりごろ、フランスのボルドーとゆかりの深いロスチャイルド家の支援でワイン造りが再び始まり、1980年代以降に、涼しい高地に畑を開いて品質を高める造り手が増えました。
すぐ北のレバノンと同じく、暑い土地でも標高の高い畑を選ぶことで、バランスのよいワインを造っています。
イスラエルの主な産地
国土は南北に細長く、北の涼しい高地から南の砂漠まで、ワインの産地が点在しています。
| 産地 | 場所と気候 | どんなワイン? |
|---|---|---|
| ガリラヤ | 北部の丘陵・高地。標高が高く、イスラエルの中では涼しい | 引きしまった赤と、さわやかな白。品質の高いワインが多い |
| ユダヤ丘陵 | エルサレムの周りの丘。石灰質の土と標高の高さが特徴 | ボルドー風のブレンドなど、上品な赤 |
| サムソン(海沿いの平野) | 地中海沿いの平らな土地。暖かい | 果実味の豊かな、親しみやすいワイン |
| ネゲヴ | 南部の砂漠地帯。とても乾いている | 水を少しずつ与える工夫で造られる、珍しい砂漠のワイン |
ワイン選びに迷ったら、北部のガリラヤか、ユダヤ丘陵の赤から試すと、イスラエルらしい質の高さを感じやすいです。
イスラエルの主なブドウ品種
フランスの品種が中心です。土着の品種で有名なものは少なく、国際的な品種でどれだけ良いワインを造れるかが勝負の産地です。
| 品種 | 動物に例えると | イスラエルでの使われ方 |
|---|---|---|
| カベルネ・ソーヴィニヨン | ライオン | もっとも重要な赤。単独でも、ボルドー風のブレンドでも |
| メルロ | ゴールデン・レトリバー | まろやかさを足すブレンド用として |
| シラー | 黒豹 | スパイスの香りのある、厚みのある赤に |
| カリニャン | イノシシ | 昔から植えられてきた品種。古い木から造る赤もある |
| シャルドネ | ユニコーン | 涼しい北部で造られる、ふくよかな白に |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 羊 | さわやかな酸の白に |
動物に例えると、ライオン(カベルネ・ソーヴィニヨン)と黒豹(シラー)が主役の、力強い顔ぶれです。白はユニコーン(シャルドネ)と羊(ソーヴィニヨン・ブラン)が中心です。
「コーシャ」のワインとは?
イスラエルのワインを調べると、よく「コーシャ(Kosher)」という言葉が出てきます。これは、ユダヤ教の食の決まりに沿って造られたワインのことです。
コーシャのワインは、ブドウの栽培から瓶詰めまで、決まりに沿った手順で造られます。ラベルに専用のマークがついていることが多いです。
大切なのは、コーシャは「造り方の決まり」で、味の種類ではないということです。コーシャだから甘い、軽いということはなく、ふつうのワインと同じように、しっかりした辛口の赤もさわやかな白もあります。
知っておきたい造り手
| 造り手 | 特徴 |
|---|---|
| カルメル(Carmel) | 19世紀の終わりにロスチャイルド家の支援で始まった、イスラエルで歴史の長い大きな造り手 |
| ドメーヌ・デュ・カステル(Domaine du Castel) | ユダヤ丘陵の家族経営の造り手。ボルドー風の赤で評価を高めた |
日本で見かける機会はまだ多くありませんが、ワインショップの「その他の国」の棚や、輸入ワインの専門店で見つかることがあります。
イスラエルのワインに合う料理
オリーブオイルやハーブ、ゴマ、スパイスを使う地中海・中東の料理と自然になじみます。
| 料理 | 合うワイン | 理由 |
|---|---|---|
| フムス・ファラフェル | 白(ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ) | ゴマやひよこ豆、レモンの風味に、さわやかな白が合う |
| ラム肉のグリル・ケバブ | 赤(カベルネ・ソーヴィニヨン主体) | 力強い赤が、ラムの脂とクセに負けない |
| バーベキュー | 赤(シラー入り) | スパイスの香りが、焼いた肉の香ばしさと重なる |
| ステーキ | 赤(ボルドー風のブレンド) | しっかりした渋みが、赤身の肉のうまみを引き立てる |
よくある質問
イスラエルでワインが造られているのは意外です。昔からですか?
はい。旧約聖書にもワインが登場するほど、古くからワイン造りが行われてきた土地です。いまのような品質のワインが広まったのは、1980年代以降と比較的最近です。
コーシャのワインは、ふつうのワインと味が違いますか?
コーシャは造り方の決まりのことで、味の種類ではありません。辛口の赤も白もあり、ふつうのワインと同じように選べます。
暑い国なのに、なぜよいワインができるのですか?
北部のガリラヤやエルサレム周辺の丘など、標高の高い涼しい場所に畑を開いているためです。夜の涼しさで、ブドウの酸が保たれます。
初心者がはじめの1本を選ぶなら?
ガリラヤやユダヤ丘陵のカベルネ・ソーヴィニヨン、またはボルドー風のブレンドがおすすめです。ボルドーやレバノンの赤が好きな方なら、なじみやすいはずです。




