イタリア全20州のワインはイタリアのワインの記事から、すべて見ることができます。
アブルッツォは、イタリア中部、アドリア海に面した山の多い州です。日本ではあまりなじみのない名前かもしれませんが、「手頃な価格で、とにかくおいしい赤ワイン」の産地として、ワイン好きの間では知られた存在です。
管理人もワイン日記で、アブルッツォの赤と白を飲んで、「これで2,000円以内は安すぎ」「この味で、この値段は優秀」とメモしました。コスパ重視の人には、ぜひ知ってほしい産地です。
アブルッツォってどんなところ?
州の西側には、アペニン山脈でもっとも高い「グラン・サッソ」の山々がそびえ、州の面積の多くを山と丘が占めています。国立公園や自然保護区が多く、「ヨーロッパの緑の州」とも呼ばれる自然豊かな土地です。
ブドウ畑は、山とアドリア海の間に広がる丘陵地帯にあります。日中は海からの暖かい風、夜は山からの冷たい風が吹き、この寒暖差が、果実味豊かでいきいきとしたワインを育てます。
知っておきたいアブルッツォのワイン
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(赤)
アブルッツォを代表する赤ワインです。モンテプルチアーノという黒ブドウから造られ、濃いルビー色、ブラックチェリーやプラムのような豊かな果実味、やわらかな渋みが特徴。手頃な価格でも満足感が高く、イタリアの赤ワインの中でも特にコストパフォーマンスのよいワインとして人気があります。
注意したいのが名前。トスカーナ州の「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」は、モンテプルチアーノという「町」の名前で、使われる品種はサンジョヴェーゼです。アブルッツォの「モンテプルチアーノ」は「品種」の名前で、まったく別のワインです。トスカーナのワインもあわせてどうぞ。
上位には、州の北部テーラモ周辺の丘で造られる「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ」があり、こちらはDOCGに認定されています。
トレッビアーノ・ダブルッツォ(白)
アブルッツォの白ワインの代表です。白桃やハチミツのような香りと、キリッとした酸味のバランスがよく、魚介料理によく合います。上質な造り手のものは、熟成で驚くほど複雑な味わいになることもあります。
ペコリーノ(白)
同じ名前の羊乳チーズとは関係なく、アブルッツォやマルケで栽培される白ブドウの品種名です。一度は忘れられかけた品種ですが、近年復活し人気が高まっています。ハーブや柑橘の香りと、しっかりした酸味が特徴です。
チェラスオーロ・ダブルッツォ(ロゼ)
モンテプルチアーノから造られる、濃いピンク色のロゼワインです。「チェラスオーロ」はさくらんぼ色という意味で、さくらんぼのような果実味と、しっかりした味わいがあり、料理に合わせやすいロゼです。ロゼについてはロゼワインとはもどうぞ。
アブルッツォのワインに合う料理
- アロスティチーニ(羊肉の串焼き):モンテプルチアーノ・ダブルッツォと(焼き鳥感覚で楽しめる郷土料理です)
- キタッラ(四角い断面の手打ちパスタ)のミートソース:モンテプルチアーノと
- 魚介のスープ、魚のグリル:トレッビアーノやペコリーノと
- サラミや生ハム:チェラスオーロと
日本の食卓なら、焼き鳥(タレ)やハンバーグ、焼肉などにモンテプルチアーノ・ダブルッツォがよく合います。焼き鳥に合うワインもどうぞ。
よくある質問
モンテプルチアーノ・ダブルッツォはどこで買える?
スーパーやコンビニでも見かけることがある、手に入りやすいイタリアワインです。手頃な価格のものが多いので、イタリアワインの入門にぴったりです。
モンテプルチアーノはどんな人におすすめ?
しっかりした赤ワインが好きだけれど、渋すぎるのは苦手、という人におすすめです。果実味が豊かで、やわらかな口当たりのものが多いです。
ほかの国・地域も見てみる → ブドウ品種図鑑/トップページの「世界のワイン産地めぐり」から探せます。
アブルッツォのワインの歴史
アブルッツォ州は、イタリア中部のアドリア海側にある州です。ワイン造りの歴史は古代ローマ以前にさかのぼるといわれ、ローマの歴史家ポリュビオスもこの地のワインについて書き残しています。
20世紀には、協同組合による大量生産が中心でしたが、現在では、品質重視の家族経営のワイナリーも増え、「安くておいしいイタリアワイン」の代表的な産地となっています。
アブルッツォの気候と土地
州の約3分の2が山地で、アペニン山脈の最高峰グラン・サッソがそびえています。山から海へ向かって続く丘陵にブドウ畑が広がり、山からの冷たい風と、海からの温かい風が交わることで、昼夜の寒暖差が生まれます。
アブルッツォで育つ主なブドウ品種
モンテプルチアーノ(黒)
アブルッツォの主役。色が濃く、果実味たっぷりで、やわらかな渋みの赤ワインになります。トスカーナの「ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ」(サンジョヴェーゼのワイン)とは別物なので注意。
トレッビアーノ・ダブルッツォ(白)
すっきりとした辛口の白ワインになります。
ペコリーノ(白)
「羊」という名前の品種。香りがよく、酸味のある白ワインになります。
はじめての1本の選び方
- モンテプルチアーノ・ダブルッツォは、1,000〜2,000円台で、満足感のある1本が見つかるコスパの良いワイン
- 「チェラスオーロ・ダブルッツォ」は、モンテプルチアーノから造る、濃いめのロゼ。2010年にDOCとして独立しました
アブルッツォの豆知識
- 管理人のワイン日記でも、グラン・サッソのモンテプルチアーノ・ダブルッツォとトレッビアーノ・ダブルッツォを紹介しています
- アブルッツォは、羊の串焼き「アロスティチーニ」が名物です
イタリアのワインのページでは、20州すべてを紹介しています。南隣のモリーゼのワインは、1963年までアブルッツォと同じ州でした。管理人のワイン日記もどうぞ。




