ブルゴーニュの白ワインの話になると、必ずといっていいほど名前が出てくるのが「コート・ド・ボーヌ」です。ムルソーやモンラッシェといった有名な白ワインも、この地区で造られています。
このページでは、コート・ド・ボーヌのワインの特徴と、村ごとの味わいの違い、特級畑、ラベルの見方、合う料理を、はじめての人にもわかるように紹介します。
コート・ド・ボーヌをひとことでいうと
・フランス・ブルゴーニュのコート・ド・ニュイの南に続く、世界最高峰のシャルドネの白ワインを生む丘です
・ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェなど白ワインの名村が並び、特級畑「モンラッシェ」もこの地区にあります
・ポマールやヴォルネイなど、やわらかく親しみやすいピノ・ノワールの赤も造られます。はじめてなら、村名のワインから試すのがおすすめです
コート・ド・ボーヌってどんなところ?
コート・ド・ボーヌは、ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ地区のすぐ南から、サントネやマランジュの村まで続く丘のふもとの産地です。北のコート・ド・ニュイとあわせて「コート・ドール(黄金の丘)」と呼ばれ、ブルゴーニュの中でも特に高く評価されるワインが集まっています。地区の名前は、中心の町ボーヌに由来します。
畑は、丘の東向きから南東向きの斜面に並んでいます。石灰岩と粘土が混ざった土が、香り高いシャルドネとピノ・ノワールを育てます。コート・ド・ニュイと同じように、斜面の高さや土の違いで畑ごとに味わいが変わるため、畑一枚ごとに区切って評価されています。この考え方はテロワールの記事でもくわしく紹介しています。
中心の町ボーヌは、ブルゴーニュワインの取引の中心地です。町には15世紀に建てられた施療院「オスピス・ド・ボーヌ」があり、毎年11月にはこの施療院が持つ畑のワインを売る慈善オークションが開かれ、ブルゴーニュの秋の一大行事になっています。
コート・ド・ボーヌのワインの特徴
- 白ワインの名産地:コート・ド・ニュイが赤ワインの地区なのに対して、コート・ド・ボーヌはシャルドネの白ワインで世界的に知られています。白の特級畑のほとんどがこの地区にあります
- コクと気品のある白:レモンや洋ナシ、白い花の香りに、樽で熟成させたものはナッツやバターのような香りが加わります。豊かなコクがありながら、酸味がきれいなのが特徴です
- やわらかく親しみやすい赤:赤ワインはコート・ド・ニュイに比べて、やわらかく早くから楽しめるものが多いといわれます。ポマールはしっかりめ、ヴォルネイは繊細で華やかと、村ごとに個性があります
- 赤の特級畑はひとつだけ:コート・ド・ボーヌの赤の特級畑は、丘の北にある「コルトン」だけです
コート・ド・ボーヌの代表的なブドウ品種
動物のイラストをタップすると、それぞれの品種の詳しい特徴がわかります。
シャルドネ(ユニコーン)|コート・ド・ボーヌの主役
世界中で育てられている白ブドウですが、ふるさとはブルゴーニュです。品種そのものの香りはおだやかで、育つ土地や造り方の違いが味わいに表れやすいのが特徴。コート・ド・ボーヌでは、樽で発酵・熟成させたコクのある白ワインが多く造られています。樽の使い方は樽熟成の記事で紹介しています。
ピノ・ノワール(蝶)|やさしい赤ワイン
皮が薄く、渋みの少ない繊細な赤ブドウです。コート・ド・ボーヌの赤は、イチゴやチェリーのような赤い果実の香りが素直に感じられ、渋みがやわらかいものが多いのが特徴。コート・ド・ニュイの赤に比べて手頃な価格のものも見つけやすく、ブルゴーニュの赤を試してみたい人にもおすすめです。
知っておきたいコート・ド・ボーヌの村と特級畑
北から南へ、主な村が並んでいます。村の名前がそのままワインの名前になるので、まずは村ごとの個性を知っておくと選びやすくなります。
| 村(北から南) | 主なワインと味わいの傾向 | 主な特級畑 |
|---|---|---|
| アロース・コルトン | 力強い赤と、コクのある白 | コルトン(赤・白)、コルトン・シャルルマーニュ(白) |
| サヴィニー・レ・ボーヌ | 軽やかで親しみやすい赤。価格も手頃 | ― |
| ボーヌ | 果実味のやわらかい赤が中心 | ―(1級畑が多い) |
| ポマール | しっかりした、骨格のある赤 | ― |
| ヴォルネイ | 繊細でエレガント、香りが華やかな赤 | ― |
| ムルソー | ナッツやバターのような香りの、コクのある白 | ―(1級畑が多い) |
| ピュリニー・モンラッシェ | 引き締まった酸味と気品のある白 | モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェ など |
| シャサーニュ・モンラッシェ | 上質な白と、赤も造られる | モンラッシェ、バタール・モンラッシェ など |
ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる特級畑「モンラッシェ」は、世界最高峰の白ワインとして知られています。とても高価ですが、同じ村の村名ワインなら、ずっと身近な価格でこの村の雰囲気を味わえます。
コート・ド・ボーヌのワインのラベルの見方
ブルゴーニュのワインは、ラベルに書かれた名前の範囲がせまいほど格が高くなります。格付けのしくみはブルゴーニュの格付けでくわしく紹介しています。
| 格 | ラベルの書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 地区名 | Côte de Beaune-Villages(コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ) | 地区内の決められた村のブドウから造る赤ワイン。手頃で入門向き |
| 村名 | Meursault(ムルソー) | 村の名前だけが書かれる。村の個性を知るのにぴったり |
| 1級畑 | Meursault 1er Cru Les Perrières など | 村名+「1er Cru」+畑の名前 |
| 特級畑 | Montrachet/Corton-Charlemagne など | 畑の名前だけが書かれ、村名は書かれない |
村名に特級畑の名前がついた「ピュリニー・モンラッシェ」のような村もあります。「モンラッシェ」だけなら特級畑、「ピュリニー・モンラッシェ」なら村名ワイン、と覚えておくと見分けやすいです。
コート・ド・ボーヌのワインに合う料理
| 料理 | 合わせ方のポイント |
|---|---|
| ローストチキン | コクのある白にも、やさしい赤にも合わせやすい定番 |
| グラタン | クリームとチーズのコクに、樽で熟成させたムルソーなどの白 |
| サーモンのムニエル | バターの香りと、白ワインのナッツのような香りが同じ方向を向く |
| 牡蠣のソテー・グラタン | 生よりも火を通した牡蠣に、コクのある白を |
| 天ぷら | 衣の香ばしさとコクに、酸味のきれいなシャルドネ |
| 鴨のロースト | ポマールやヴォルネイの赤と、鴨の脂は定番の組み合わせ |
コート・ド・ボーヌのワインのよくある質問
はじめて飲むなら、どれを選べばいいですか?
白ならムルソーやピュリニー・モンラッシェの村名ワイン、赤ならサヴィニー・レ・ボーヌやボーヌの村名ワインがおすすめです。コクのある白が好きならムルソー、すっきり引き締まった白が好きならピュリニー・モンラッシェを選ぶと、村ごとの違いがわかりやすいです。ブルゴーニュ全体を気軽に試すなら、ラベルに「Bourgogne Blanc(ブルゴーニュ・ブラン)」と書かれた白や、南のマコネの白から始める方法もあります。
コート・ド・ボーヌとコート・ド・ニュイの違いは?
どちらもコート・ドールと呼ばれる丘にある地区で、北がコート・ド・ニュイ、南がコート・ド・ボーヌです。コート・ド・ニュイは力強く香り高いピノ・ノワールの赤ワイン、コート・ド・ボーヌはムルソーやモンラッシェなど上質なシャルドネの白ワインと、やわらかい赤ワインで知られています。
シャブリの白とは何が違いますか?
同じブルゴーニュのシャルドネですが、北にあるシャブリは、樽を使わないものが多く、すっきりとした酸味とミネラル感が特徴です。コート・ド・ボーヌの白は、樽で熟成させたものが多く、ふくよかなコクとナッツやバターのような香りが楽しめます。
何度くらいで飲むとおいしいですか?
コクのある白ワインは10〜13℃くらい、やや高めの温度にすると香りが開きます。冷やしすぎると香りやコクが感じにくくなります。ピノ・ノワールの赤は15〜17℃くらいがおすすめです。温度の目安はワインの温度でも紹介しています。
ほかの国・地域のワインは、世界のワイン産地一覧から探せます。
-884x600.png)




