寒い日に体の芯から温まるキムチ鍋。唐辛子の辛さ、キムチの酸味、豚肉やチーズのコクと、味の要素が多い鍋なので「ワインは合わないのでは?」と思われがちですが、選び方さえ押さえれば、ビールとはまた違う楽しみ方ができます。
このページでは、辛さの強さと具材(豚・海鮮・チーズ)の組み合わせ別に、キムチ鍋に合うワインとおすすめのブドウ品種を紹介します。
先に結論:キムチ鍋に赤ワイン?白ワイン?
・いちばん合わせやすいのはほんのり甘口の白。迷ったらやや甘口のリースリング
・香りで辛さを包むなら、ライチのような香りのゲヴュルツトラミネール
・赤なら、渋みが少なく果実味の豊かなグルナッシュやマスカット・ベリーAを少し冷やして
・渋みの強い重い赤とアルコール度数の高いワインは、辛さを強く感じやすいので避ける
キムチ鍋に合うワインの選び方
キムチ鍋のワイン選びでいちばん気をつけたいのは辛さです。唐辛子の辛さは、ワインの渋みやアルコールと合わさると、より強く、ひりひりと感じやすくなります。そのため、渋みの少ない白やロゼ、軽めの赤が基本になります。
反対に、ワインのほのかな甘みは辛さをやわらげてくれます。また、キムチは発酵による酸味があるので、ワインにも酸味があると味がぼやけません。「渋みは控えめ、甘みは少し、酸味はしっかり」と覚えておくと選びやすくなります。豚バラやチーズを入れてコクが増したら、果実味のある赤やロゼでも合わせられます。
キムチ鍋に合うおすすめのブドウ品種
動物のイラストをタップすると、それぞれの品種の詳しい特徴がわかります。
リースリング(ペンギン)
キムチ鍋にまず合わせたいのが、やや甘口のリースリングです。甘みが辛さをやわらげ、きりっとした酸味がキムチの酸味とそろいます。ドイツのものなら、ラベルに「feinherb(ファインヘルプ)」や「halbtrocken(ハルプトロッケン)」とあるものが、ほんのり甘口の目安です。
ゲヴュルツトラミネール(ハナカマキリ)
ライチやバラのような華やかな香りと、とろりとした口当たりが特徴の白ワインです。香りが強いので、にんにくやごま油、唐辛子の香りにも負けません。中華料理やエスニック料理とよく合わせられる品種で、辛い鍋とも相性のよい一本です。
グルナッシュ(フラミンゴ)
赤ワインを合わせるなら、渋みが穏やかでいちごのような果実味のあるグルナッシュを。豚バラの脂やコチュジャンの甘辛さを、熟した果実の甘い印象が受け止めてくれます。南フランスやスペインのものは手ごろな価格で見つけやすい品種です。
マスカット・ベリーA(柴犬)
日本の赤ワインの代表品種です。いちご飴のような甘い香りで、渋みが少なく、軽めに仕上がるものが多いので、少し冷やすと辛い鍋にも合わせやすくなります。味噌やしょうゆを使ったキムチ鍋にもなじみます。
具材・辛さ別の早見表
同じキムチ鍋でも、入れる具材と辛さで合うワインが変わります。よく作る組み合わせから選んでみてください。
| 組み合わせ | 味の特徴 | 合うワイン | 選び方のコツ |
|---|---|---|---|
| 豚キムチ鍋(定番) | 豚バラの脂とキムチの酸味・辛さ | やや甘口のリースリング、グルナッシュ | 甘みのある白か、果実味の赤 |
| 海鮮キムチ鍋(えび・あさり・たら) | 魚介のうま味と辛さ | 辛口〜やや甘口のリースリング、ソーヴィニヨン・ブラン | 酸味のある白をよく冷やして |
| チーズ入りキムチ鍋 | チーズのコクで辛さがまろやかに | ロゼ、マスカット・ベリーA | ロゼや軽い赤でもよく合う |
| 激辛のキムチ鍋・チゲ | 唐辛子の辛さがいちばん強い | ゲヴュルツトラミネール、甘口寄りのリースリング | 度数の低めのワインを選ぶ |
| 鶏肉のキムチ鍋 | 淡白な鶏に辛さとうま味 | ロゼ、ガメイ | 軽めのものを少し冷やして |
| 締め(ラーメン・雑炊・チーズリゾット) | スープを吸ってうま味が濃くなる | 残っているロゼや白をそのまま | チーズリゾットにはロゼが便利 |
避けたい組み合わせと、辛さとの付き合い方
- 渋みの強い重い赤(カベルネ・ソーヴィニヨンなど):渋みと辛さが重なって、苦く感じやすくなります。
- アルコール度数の高いワイン:度数が高いほど辛さがひりひりと残りやすいので、12%前後のものが合わせやすいです。
- 繊細な高級ワイン:キムチの香りが強いので、繊細な香りを楽しむワインはもったいない組み合わせです。手ごろな価格の果実味のあるワインで十分です。
- 温度:白やロゼはしっかり冷やすと、辛さをさっぱり流してくれます。鍋のそばに置くとぬるくなりやすいので、飲む分だけ注ぎましょう。
よくある質問
キムチ鍋には赤と白、どちらが合いますか?
合わせやすいのは白です。特にやや甘口のリースリングは、辛さをやわらげてくれるので失敗が少ない組み合わせです。赤なら、渋みの少ないグルナッシュやマスカット・ベリーAを選び、少し冷やして飲むのがおすすめです。
キムチ鍋に合うワインを1本だけ選ぶなら?
ロゼワインです。白の爽やかさと赤の果実味をあわせ持つので、豚・海鮮・チーズのどの具材にも合わせやすく、見た目も鍋の赤い色と調和します。辛口すぎない、果実味のあるタイプを選んでみてください。
甘口ワインは料理に合わないのでは?
デザートワインのように甘いものは料理の味を邪魔しますが、「やや甘口」程度のほんのりした甘みは、辛い料理と相性がよい組み合わせです。甘口と辛口の見分け方はリースリングの記事で紹介しています。
スパークリングワインは合いますか?
合います。泡と酸味が脂や辛さをすっきり流してくれます。辛さが強い鍋なら、辛口(ブリュット)より少し甘みのあるタイプのほうが合わせやすくなります。
ワイン以外で、キムチ鍋に合うお酒はありますか?
いちばんの定番は韓国のお酒、マッコリです。ほのかな甘みとやさしい酸味が辛さをやわらげ、発酵食品のキムチともよくなじみます。さっぱり飲みたいときは、冷えたビールやレモンサワーがおすすめです。炭酸と爽やかさが、豚の脂や辛さをすっきり流してくれます。ウイスキーや焼酎のロックのように度数の高いお酒は辛さを強く感じやすいので、飲むなら炭酸や水で割ると合わせやすくなります。
ほかの鍋の合わせ方は鍋料理に合うワイン、にんにくの効いた鍋ならもつ鍋に合うワイン、ポン酢やごまだれで食べる鍋ならしゃぶしゃぶに合うワインもどうぞ。辛い料理全般の合わせ方は中華料理に合うワイン、チヂミやトッポッキなど鍋以外の韓国料理は韓国料理に合うワインでも紹介しています。








