大阪は「食い倒れの街」として知られますが、100年以上のワイン造りの歴史を持つ産地でもあります。柏原市や羽曳野市の山すそでは、いまもデラウェアなどのブドウが育てられ、たこ焼きやお好み焼きと楽しめる親しみやすいワインが造られています。
大阪のワイン造りの特徴
大阪のブドウ畑は、府の東南部、生駒山地や金剛山地のふもとの斜面に広がっています。水はけのよい斜面と、雨が比較的少ない瀬戸内式の気候が、ブドウ栽培に向いています。
昭和のはじめには、ブドウの栽培面積が全国一だった時期もあるほどの産地でした。その後、宅地化で畑は減りましたが、デラウェアはいまも全国有数の産地です。2021年には、国税庁から地理的表示(GI)「大阪」に指定されました。
大都市のすぐそばに畑とワイナリーがあるのも大阪らしさです。大阪市内には、ブドウを仕入れて街なかで醸造する「都市型ワイナリー」もあります。
代表的なブドウ品種
- デラウェア:大阪のブドウの主役。小粒で甘い香りがあり、フルーティーな白ワインやスパークリングワインになる
- マスカット・ベリーA:日本生まれの黒ブドウ。いちごのような香りの、軽やかな赤ワインに
- 甲州:山梨のイメージが強い品種ですが、大阪でも古くから育てられている
- シャルドネ、メルロ:ヨーロッパ系の品種に取り組む造り手も増えている
主な産地とワイナリー
- 柏原市:大阪のワイン造りの中心地。大正時代に創業し、現存する西日本最古のワイナリーといわれるカタシモワイナリーがある
- 羽曳野市:ブドウ畑が多い丘陵地。飛鳥ワインなど、家族で営む造り手が集まる
- 太子町など南河内:金剛山地のふもとの、果樹の栽培が盛んな地域
- 大阪市内:府内外のブドウを使う都市型ワイナリーがあり、街なかで醸造の様子にふれられる
柏原市から羽曳野市にかけての一帯は、昔の国名から「河内(かわち)」と呼ばれる地域です。大阪のワインを選ぶときは、ラベルの「柏原」「羽曳野」「河内」が目印になります。
大阪のワインに合う料理
せっかくなら、大阪の「粉もん」や揚げ物と合わせてみてください。ソースや衣の油に、軽やかなワインがよく合います。
| 料理 | 合うワイン | 合う理由 |
|---|---|---|
| たこ焼き | デラウェアのスパークリング | 泡と酸が、ソースとマヨネーズの重さをすっきり流す(たこ焼きに合うワイン) |
| お好み焼き | マスカット・ベリーA | 甘めのソースと、いちごのような果実味がなじむ(お好み焼きに合うワイン) |
| 串カツ | デラウェアの辛口の白・スパークリング | 揚げたての衣の油を、さわやかな酸がさっぱりさせる |
| 河内鴨のロースト | マスカット・ベリーA、メルロ | 鴨の濃いうま味に、果実味のある赤が寄りそう(鴨肉に合うワイン) |
| 関東煮(関西のおでん) | 甲州 | 薄口しょうゆのだしを邪魔しない、すっきりした味わい(おでんに合うワイン) |
大阪と山梨・山形のワインの違い
同じデラウェアやマスカット・ベリーAを育てる産地でも、土地の性格には違いがあります。
| 産地 | 特徴 | 代表的な品種 |
|---|---|---|
| 大阪 | 大都市のそばの山すそに畑がある。雨が比較的少ない | デラウェア、マスカット・ベリーA |
| 山梨 | 盆地で日照に恵まれる。日本ワイン発祥の地 | 甲州、マスカット・ベリーA |
| 山形 | 盆地で昼夜の寒暖差が大きい。果樹王国 | デラウェア、マスカット・ベリーA |
日本ワインの表示ルールは日本ワインと国産ワインの違い、日本のほかの産地は日本のワインで紹介しています。
よくある質問
「GI大阪」とは何ですか?
国税庁が指定する地理的表示のひとつです。大阪府内で収穫したブドウだけを使い、府内で造られ、決められた基準を満たしたワインだけが「大阪」と表示できます。産地の品質を守るための目印です。
大阪のワインはどこで買えますか?
ワイナリーの直売所のほか、府内の百貨店や酒店、通信販売で見つかります。デラウェアのスパークリングなど、手ごろな価格のものも多いです。
大阪のワイナリーは見学できますか?
見学や試飲を受け付けているワイナリーもあります。予約が必要なことが多いので、出かける前に各ワイナリーの公式サイトで確認してください。







