シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンは、どちらも色が濃く力強い「重い赤ワイン」の代表的なブドウ品種です。ただ、香りや渋みの感じ方、育った土地、合う料理には、はっきりした違いがあります。
このサイトでは、シラーをスパイシーでしなやかな「黒豹」、カベルネ・ソーヴィニヨンを堂々とした「ライオン」に例えています。このページでは、2つの品種の違いを表とあわせて比べ、好みに合わせた選び方を紹介します。
ひと目でわかる違い
| シラー(シラーズ) | カベルネ・ソーヴィニヨン | |
|---|---|---|
| 動物に例えると | 黒豹(スパイシーでしなやか) | ライオン(堂々として力強い) |
| 色 | 濃い紫〜黒に近い色 | 濃い紫〜黒に近い色 |
| 重さ | ミディアム〜フルボディ | フルボディが中心 |
| 渋み | しっかりあるが、まろやかに感じやすい | 強く、かっちりしている |
| 香り | ブラックベリーなどの黒い果実、黒コショウ、スミレ | カシス・ブラックベリーなどの黒い果実、ピーマン、ミント、杉 |
| 味わいの印象 | 果実味が豊かでスパイシー | 渋みと酸味が骨格をつくる、引き締まった味わい |
| ふるさと | フランス・ローヌ地方 | フランス・ボルドー地方 |
| 代表的な産地 | フランス・ローヌ、オーストラリア(シラーズ)、南アフリカ、チリ | フランス・ボルドー左岸、アメリカ・ナパ・ヴァレー、チリ、イタリア・ボルゲリ |
| よくあるブレンド | グルナッシュ、ムールヴェードル(南ローヌ) | メルロ、カベルネ・フラン(ボルドー) |
| 合う料理 | ラム肉、スパイスを使った肉料理、バーベキュー | ステーキ、焼肉、ハンバーグ |
違い1:重さと渋み
どちらも色が濃く、しっかりした赤ワインになる品種です。そのため「重い赤」としてひとくくりにされがちですが、口に含んだときの印象は少し違います。
カベルネ・ソーヴィニヨンは渋み(タンニン)が強く、かっちりとした骨格があります。若いうちは渋みが目立つこともあり、熟成させることで角がとれていく品種です。シラーは果実味がたっぷりで、渋みはしっかりありながらも、まろやかに感じやすいのが特徴です。とくにオーストラリアのシラーズは、果実の甘い印象が強く、なめらかな飲み口のものが多くなります。渋みについてはタンニンとは、重さについてはワインのボディとはでくわしく解説しています。
違い2:香り
いちばん分かりやすい違いは香りです。シラーの目印は、黒コショウのようなスパイシーな香り。ブラックベリーなどの黒い果実に、スミレの花のような香りが加わります。涼しい産地のものほどコショウの香りがはっきりし、暖かい産地のものほど果実のジャムのような濃い香りが前に出ます。
カベルネ・ソーヴィニヨンの目印は、カシスとピーマンのような青っぽい香りです。ミントや杉のような香りもあり、樽で熟成されたものはバニラやチョコレートのような香りも感じられます。「コショウならシラー、ピーマンならカベルネ」と覚えておくと、飲み比べたときに見分けやすくなります。
違い3:ふるさとと産地
シラーのふるさとは、フランスのローヌ地方です。北ローヌではシラー主体の力強い赤ワインが造られ、南ローヌではグルナッシュなどとブレンドされます(シャトーヌフ・デュ・パプなど)。そしてオーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、国を代表する品種になっています。ほかに南アフリカやチリでも造られています。
カベルネ・ソーヴィニヨンのふるさとはボルドーです。左岸のメドック地区などでメルロとブレンドされるのが伝統的な造り方で、ナパ・ヴァレーやチリ、イタリアのボルゲリ(トスカーナ)など、世界中の温暖な産地で栽培されています。
違い4:合う料理
シラーはスパイシーな香りがあるので、スパイスやハーブを使った肉料理とよく合います。ラム肉、黒コショウをきかせた肉料理、炭火で焼いたバーベキューなどがおすすめです(ラム肉に合うワイン、バーベキューに合うワイン)。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、脂ののった牛肉料理で本領を発揮します。しっかりした渋みが肉の脂をさっぱりさせてくれるので、ステーキや焼肉、ハンバーグにぴったりです(ステーキに合うワイン、焼肉に合うワイン、ハンバーグに合うワイン)。
違い5:ブレンドの相手
どちらも単一品種で造られることがありますが、ブレンドの相手は異なります。シラーは南ローヌでグルナッシュやムールヴェードルと、カベルネ・ソーヴィニヨンはボルドーでメルロやカベルネ・フランと組み合わされるのが定番です。
おもしろいのは、オーストラリアでは「カベルネ・シラーズ」のように、この2つをブレンドしたワインもよく見かけることです。ライオンの骨格と黒豹のしなやかさをあわせ持ったような味わいで、両方の個性を一度に楽しめます。
管理人の好み
管理人は赤ワインなら少し重めが好きで、シラーは好きな品種のひとつです。カベルネ・ソーヴィニヨンでは、トスカーナ・ボルゲリのテヌータ・グアド・アル・タッソ「イル・ブルチャート」2023(カベルネ・ソーヴィニヨン主体、評価:美味しい)を飲んだとき、メモに「タンニンが豊かで力強い」「黒い果実の香り」「チョコレートのような味わいもあり」と書いていました。まさにライオンらしい力強さです。
シラーの感想は、飲んだら管理人のワイン日記に追加していきます。
どっちを選べばいい?
- スパイシーな香りを楽しみたい:シラー
- 渋みのしっかりした、引き締まった赤が飲みたい:カベルネ・ソーヴィニヨン
- 果実味たっぷりで、なめらかな重い赤が飲みたい:オーストラリアのシラーズ
- ラム肉やスパイス料理と合わせる:シラー
- ステーキや焼肉と合わせる:カベルネ・ソーヴィニヨン
- 両方の個性を一度に楽しみたい:オーストラリアのカベルネ・シラーズ
シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンのよくある質問
シラーとシラーズは違うブドウですか?
同じブドウ品種です。フランスなどでは「シラー(Syrah)」、オーストラリアなどでは「シラーズ(Shiraz)」と呼ばれます。ラベルにどちらの名前を書くかで、造り手がめざすスタイルを表すこともあり、シラーズと書かれたものは果実味の濃いタイプが多い傾向があります。
どちらのほうが重いですか?
どちらも重めの赤ワインですが、渋みの強さで比べるとカベルネ・ソーヴィニヨンのほうが重く感じやすいです。ただし、オーストラリアのシラーズのように果実味が非常に濃いものもあるため、産地や造り手によって変わります。
ラベルではどう見分けますか?
品種名が書かれていれば「Syrah」「Shiraz」「Cabernet Sauvignon」で見分けられます。フランスの北ローヌの赤ワインは、品種名が書かれていなくても基本的にシラー主体です。ボルドーの赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロのブレンドが中心です。
それぞれの品種のくわしい特徴は、シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンの記事をご覧ください。
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