ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワインのブドウ品種のなかでも「軽やかな赤」と「重い赤」の代表です。どちらもフランス生まれの有名な品種ですが、色の濃さ、渋み、香り、合う料理まで、ほとんど正反対といってよいほど性格が違います。
このサイトでは、ピノ・ノワールを気品のある「蝶」、カベルネ・ソーヴィニヨンを堂々とした「ライオン」に例えています。このページでは、2つの品種の違いを表とあわせて比べ、好みに合わせた選び方を紹介します。
ひと目でわかる違い
| ピノ・ノワール | カベルネ・ソーヴィニヨン | |
|---|---|---|
| 動物に例えると | 蝶(繊細で気品がある) | ライオン(堂々として力強い) |
| 色 | 明るく透けるルビー色 | 濃い紫〜黒に近い色 |
| 重さ | 軽め〜ミディアムボディ | しっかり重い(フルボディが中心) |
| 渋み | 少なめ | 強い |
| 酸味 | きれいでしっかり | ほどよい |
| 香り | イチゴ・チェリーなどの赤い果実、バラ。熟成するとキノコや紅茶 | カシス・ブラックベリーなどの黒い果実、ピーマン、ミント、杉 |
| 育ちやすい土地 | 涼しい土地 | 温暖で水はけのよい土地 |
| 代表的な産地 | フランス・ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ニュージーランド、アメリカ・オレゴン | フランス・ボルドー左岸、アメリカ・ナパ・ヴァレー、チリ |
| 造り方の傾向 | 単一品種で造られることが多い | メルロなどとブレンドされることも多い |
| 合う料理 | 鶏肉や鴨肉、サーモン、和食 | ステーキ、焼肉、ラム肉 |
違い1:色と重さ
グラスに注いだだけで違いが分かるのが、この2品種です。ピノ・ノワールは果皮が薄く、グラスの向こうが透けるような明るいルビー色。口当たりも軽やかで、するすると飲めるワインが多くなります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは粒が小さく果皮が厚いため、色は濃い紫で、味わいもどっしり重めです。同じ「赤ワイン」でも、ピノ・ノワールが紅茶なら、カベルネ・ソーヴィニヨンは濃いめのコーヒーくらいの差があると考えるとイメージしやすいでしょう。
違い2:渋みと酸味
赤ワインの渋み(タンニン)は、おもに果皮や種から出ます。果皮の厚いカベルネ・ソーヴィニヨンは渋みがたっぷりで、骨格のしっかりしたワインになります。一方のピノ・ノワールは渋みが少なく、そのぶんきれいな酸味が味わいの中心です。
「赤ワインの渋みが苦手」という人は、まずピノ・ノワールから試すのがおすすめです。渋みについてはタンニンとはでくわしく解説しています。
違い3:香り
ピノ・ノワールは、イチゴやチェリー、ラズベリーなどの赤い果実と、バラのような華やかな香りが特徴です。熟成すると、キノコや紅茶、森の土のような香りが加わり、複雑さが増していきます。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、カシスやブラックベリーなどの黒い果実が中心で、ピーマンのような青っぽい香りや、ミント、杉のような香りが加わります。樽で熟成されたものは、バニラやチョコレートのような香りも感じられます。
違い4:育つ土地と産地
ピノ・ノワールは涼しい土地を好む品種で、暑すぎると繊細な香りが失われてしまいます。本場はフランスのブルゴーニュで、シャンパーニュではスパークリングワインの主要品種でもあります。ほかにニュージーランドやオレゴン、ドイツ、日本の北海道など、冷涼な産地で評価の高いワインが造られています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは熟すのが遅いため、温暖で水はけのよい土地が向いています。ボルドーの左岸(メドック地区など)が本場で、ナパ・ヴァレーやチリ、オーストラリア、イタリアのボルゲリなど、世界中の温暖な産地で栽培されています。
違い5:合う料理
ピノ・ノワールは渋みが少なく酸味がきれいなので、繊細な料理に合わせやすいのが魅力です。鶏肉や鴨肉、サーモン、きのこ料理のほか、醤油を使った和食とも相性がよい品種です(鴨肉に合うワイン、サーモンに合うワイン、和食に合うワイン)。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、脂ののった肉料理と合わせると本領を発揮します。しっかりした渋みが肉の脂をさっぱりさせてくれるので、ステーキや焼肉、ラム肉にぴったりです(ステーキに合うワイン、焼肉に合うワイン、ラム肉に合うワイン)。
違い6:おいしく飲むコツ
ピノ・ノワールは、カベルネ・ソーヴィニヨンより少し低めの温度で飲むと、酸味と香りが引き立ちます。グラスは、香りを集めやすい丸く大きなボウルのもの(ブルゴーニュ型)が向いています。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、冷やしすぎると渋みが強く感じられるため、赤ワインのなかでもやや高めの温度がおすすめです。グラスは、背の高いボルドー型が定番です。くわしくはワインの温度とワイングラスの選び方で紹介しています。
管理人の好み
管理人は赤ワインなら少し重めが好きですが、ピノ・ノワールの繊細さも大好きな品種のひとつです。カベルネ・ソーヴィニヨンでは、トスカーナ・ボルゲリのテヌータ・グアド・アル・タッソ「イル・ブルチャート」2023(カベルネ・ソーヴィニヨン主体、評価:美味しい)を飲んだとき、メモに「タンニンが豊かで力強い」「黒い果実の香り」「チョコレートのような味わいもあり」と書いていました。まさにライオンらしい力強さです。
ピノ・ノワールの感想は、飲んだら管理人のワイン日記に追加していきます。
どっちを選べばいい?
- 渋みが苦手・軽めの赤が飲みたい:ピノ・ノワール
- ガツンと重い赤ワインが飲みたい:カベルネ・ソーヴィニヨン
- ステーキや焼肉と合わせる:カベルネ・ソーヴィニヨン
- 鶏肉・魚・和食と合わせる:ピノ・ノワール
- 華やかな香りを楽しみたい:ピノ・ノワール
- 手頃な価格で満足感のある1本がほしい:チリのカベルネ・ソーヴィニヨン
ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンのよくある質問
ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンは、どちらが初心者向けですか?
渋みが苦手ならピノ・ノワール、しっかりした味わいが好きならカベルネ・ソーヴィニヨンがおすすめです。赤ワインをあまり飲んだことがない人には、渋みの少ないピノ・ノワールのほうが飲みやすいことが多いです。
ピノ・ノワールのほうが値段が高いのはなぜですか?
ピノ・ノワールは果皮が薄く病気にかかりやすいうえ、涼しい土地でないとよさが出にくいため、育てるのが難しい品種です。本場ブルゴーニュは生産量も少ないため、高くなりやすい傾向があります。手頃な価格で試すなら、ニュージーランドやチリなどのものも選択肢になります。
ラベルではどう見分けますか?
品種名が書かれていれば「Pinot Noir」「Cabernet Sauvignon」で見分けられます。フランスのブルゴーニュの赤ワインは、品種名が書かれていなくても基本的にピノ・ノワールです。ボルドーの赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロのブレンドが中心です。
それぞれの品種のくわしい特徴は、ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンの記事をご覧ください。
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