リースリングとゲヴュルツトラミネールは、どちらもフランス・アルザスやドイツで造られる、香りの豊かな白ワインの品種です。売り場でも同じ棚に並ぶことが多い2つですが、香りも味わいもはっきり違います。
このサイトでは、かわいいけれどタフな「ペンギン」にリースリングを、花に擬態する華やかな「ハナカマキリ」にゲヴュルツトラミネールを例えています。
ひと目でわかる違い
| リースリング | ゲヴュルツトラミネール | |
|---|---|---|
| 動物に例えると | ペンギン(かわいいけれどタフ) | ハナカマキリ(華やかで存在感たっぷり) |
| 香り | 青リンゴ、ライム、白桃、白い花。熟成するとペトロール(石油のような香り) | ライチ、バラ、スパイス。「化粧品のよう」とも |
| 酸味 | 高い(キリッとシャープ) | 穏やか |
| ボディ | 軽やか〜中くらい | しっかり・まろやか |
| スタイル | 辛口から極甘口(貴腐・アイスワイン)まで幅広い | 辛口〜やや甘口が中心、遅摘みの甘口も |
| 代表的な産地 | ドイツ、フランス・アルザス、オーストリア、オーストラリア | フランス・アルザス、イタリア・アルト・アディジェ |
| 合う料理 | 魚介、豚肉、和食(甘口はデザートやブルーチーズ) | タイ料理・ベトナム料理・中華・カレー、香りの強いチーズ |
違い1:香り
いちばんわかりやすい違いは香りです。リースリングは青リンゴやライム、白桃のようなすっきりした果実の香りに、白い花のような軽やかさが加わります。熟成すると「ペトロール」と呼ばれる石油のような独特の香りが出てくるのも特徴です。
ゲヴュルツトラミネールは、グラスに鼻を近づけた瞬間にわかるほどライチやバラの香りが強い品種です。「ゲヴュルツ」はドイツ語で「スパイス」という意味で、名前のとおりスパイスのような香りもあります。香りで品種を当てやすい代表で、テイスティングの練習にもぴったりです。香りの言葉はワインの香りの表現でもまとめています。
違い2:酸味とボディ
リースリングは酸味がしっかりしていて、冷たい海を泳ぐペンギンのようにシャープな飲み口です。甘口でも酸味があるので、べたっとした甘さになりにくいのが魅力です(ワインの酸味とは?)。
ゲヴュルツトラミネールは酸味が穏やかで、まろやかでボリュームのある口当たりです。同じ白ワインでも、リースリングを「キリッ」、ゲヴュルツトラミネールを「とろり」と覚えると選びやすくなります。
違い3:産地と、アルザスでの共通点
リースリングはドイツのライン川流域で生まれた品種で、ドイツを中心に、アルザス、オーストリア、オーストラリアなど世界各地で造られています。ゲヴュルツトラミネールは、北イタリアのアルト・アディジェにある村「トラミン」が名前の由来とされ、いちばん有名な産地はフランスのアルザスです。
2つの品種が出会うのがアルザスです。アルザスでは、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの4品種が特に大切にされ、ラベルに品種名が大きく書かれていることが多いので、お店でも見つけやすいです。同じ造り手の2本を買って飲み比べると、違いがはっきりわかります。
違い4:合う料理
リースリングは酸味があるので、魚介や豚肉、酢の物のようなさっぱりした和食に合わせやすい白ワインです。甘口のリースリングは、フルーツのデザートやブルーチーズとも好相性です。
ゲヴュルツトラミネールは、香りの強さがスパイスに負けないので、タイ料理やベトナム料理、中華料理、カレーなどのアジア料理と相性抜群です。マンステールのような香りの強いチーズにも合います。
どっちを選べばいい?
- キリッとした酸味の白が好き:リースリング
- 華やかな香りを楽しみたい:ゲヴュルツトラミネール
- 和食や魚介と合わせたい:リースリング
- エスニック料理やスパイスの効いた料理に:ゲヴュルツトラミネール
- 甘口ワインを試したい:どちらもあり(甘口の幅が広いのはリースリング。甘口ワインの選び方もどうぞ)
ラベルに甘口・辛口がはっきり書かれていないこともあるので、迷ったらお店の人に「辛口ですか?」と聞くのがいちばん確実です。
よくある質問
リースリングとゲヴュルツトラミネールは、どちらが甘いですか?
品種そのものに「甘い・辛い」が決まっているわけではなく、造り方で変わります。ただ、ゲヴュルツトラミネールは酸味が穏やかで香りが甘やかなので、辛口でも甘く感じやすい品種です。リースリングは辛口から極甘口まで幅広く造られています。
どちらが初心者向けですか?
香りの違いをはっきり感じたいならゲヴュルツトラミネール、食事と一緒に気軽に飲むならリースリングがおすすめです。どちらも樽の香りをつけないものが多く、品種の個性がそのまま出るので、白ワインの品種を覚える最初の2本にも向いています。
冷やす温度は?
どちらも8〜10℃くらいが目安です。冷やしすぎると香りが立ちにくくなるので、冷蔵庫から出して少し置いてから飲むと香りが開きます。
それぞれの品種をくわしく → リースリングの特徴/ゲヴュルツトラミネールの特徴。ほかの比較記事:シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの違い/ピノ・ノワールとガメイの違い/カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの違い/カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンの違い/ネッビオーロとサンジョヴェーゼの違い/ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンの違い/シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンの違い/シャルドネとリースリングの違い。品種の一覧はブドウ品種図鑑へ。






