しょうゆと砂糖でじっくり煮込んだ、とろとろの豚の角煮。ごちそう感のある家庭料理ですが、ワインを合わせるなら「赤?白?」と迷う人も多いのではないでしょうか。
このページでは、豚の角煮に合うワインと、中華風の東坡肉・沖縄のラフテー・角煮丼など食べ方別のおすすめのブドウ品種、合わせるときのコツを紹介します。
先に結論:豚の角煮に赤ワイン?白ワイン?
・しょうゆと砂糖で煮た定番の角煮には、まろやかな果実味の赤。メルロのプラムのような香りとなめらかさが、甘辛い煮汁ととろけるバラ肉の脂に寄り添います
・八角や紹興酒の香る中華風の東坡肉(トンポーロー)には、香りの華やかな白。ゲヴュルツトラミネールのライチやスパイスの香りが、八角の香りと重なります
・手頃に合わせるなら日本のマスカット・ベリーA。しょうゆやみりんの甘辛い味つけと相性がよく、角煮丼にも合わせやすい赤です
豚の角煮に合うワインの選び方
豚の角煮の味の中心は、しょうゆ・砂糖・酒(みりん)で長く煮た甘辛くこっくりした煮汁と、やわらかく煮えた豚バラ肉の脂身のとろみです。しょうがやねぎの香り、添える溶きがらしも味のアクセントになります。
ワイン選びのポイントは3つです。1つ目は、甘辛い煮汁には果実味のある赤を合わせること。熟した果実の甘い香りが、砂糖やみりんのこっくりした甘さとなじみます。2つ目は、渋みよりも「なめらかさ」を重視すること。角煮の脂はとろけるようにやわらかいので、渋みの強い赤よりも、口当たりのまろやかな赤のほうが一体感が出ます。3つ目は、八角・五香粉・泡盛など香りの強い調味料を使うときは、香りの華やかなワインを合わせること。料理の香りとワインの香りの方向をそろえるのがコツです。
豚肉料理全体の合わせ方は豚肉料理に合うワイン、同じ甘辛いしょうゆ味の煮物は肉じゃがに合うワインやブリ大根・ブリの照り焼きに合うワインでも紹介しています。
豚の角煮に合うおすすめのブドウ品種
動物のイラストをタップすると、それぞれの品種の詳しい特徴がわかります。
メルロ(ゴールデン・レトリバー)
プラムやブラックチェリーのようなまろやかな果実味と、なめらかな口当たりが特徴の赤ブドウです。渋みがおだやかなので、とろとろに煮えたバラ肉の脂身をやさしく包み込み、甘辛い煮汁の後味もきれいにまとめてくれます。定番の角煮にまず合わせたい品種で、ボルドーの右岸やチリなど、手頃なものも見つけやすいです。
マスカット・ベリーA(柴犬)
日本で生まれた赤ブドウで、いちごキャンディのような甘い香りと、軽やかな飲み口が特徴です。しょうゆやみりんを使った和の甘辛い味つけと相性がよく、ごはんに煮汁がしみた角煮丼や、煮卵・大根と一緒に煮た家庭の角煮にも合わせやすい品種です。少し冷やして飲むと、脂の多い角煮でも重たく感じにくくなります。
ジンファンデル(アメリカワニ)
ジャムのように濃い果実味と、ほんのりスパイシーな香りが特徴の赤ブドウです。黒糖やざらめでしっかり甘く、濃いめに煮詰めた角煮や、沖縄のラフテーのようにこっくりした味つけに合わせると、果実の甘い香りが煮汁の甘さに負けません。アルコール度数が高めのものが多いので、少しずつ楽しむのがおすすめです。
ゲヴュルツトラミネール(ハナカマキリ)
ライチやバラのような華やかな香りと、スパイスのようなニュアンスが特徴の白ブドウです。八角や紹興酒で煮込む中華風の東坡肉(トンポーロー)と合わせると、料理の甘い香りとワインの香りが重なり合います。白ワインですがコクのあるものが多く、脂の多い豚バラ肉にも負けません。
食べ方・味つけ別の早見表
| 料理・食べ方 | おすすめのワイン | 合わせるポイント |
|---|---|---|
| 定番の角煮(しょうゆ・砂糖) | メルロ | 甘辛い煮汁ととろける脂に、まろやかな果実味 |
| 煮卵・大根と一緒に煮た角煮 | マスカット・ベリーA | 煮汁がしみたやさしい味に、軽やかな日本の赤 |
| 角煮丼 | マスカット・ベリーA | ごはんにしみた多めの煮汁に、甘い香りの赤 |
| 角煮まん(中華まん) | ロゼ | 生地のふんわりした甘さと甘辛いたれに、軽やかなロゼ |
| 東坡肉(八角・紹興酒) | ゲヴュルツトラミネール | 八角の甘い香りに、スパイシーで華やかな白 |
| ラフテー(泡盛・黒糖) | ジンファンデル | 黒糖のこっくりした甘さに、濃い果実味の赤 |
| 塩角煮(塩・酒で煮る) | 甲州 | しょうゆを使わないあっさり味に、すっきりした和の白 |
| からしをたっぷり添えて | シラー | ピリッとした辛みに、黒コショウのようなスパイスの香り |
避けたい組み合わせ
- 渋みの強い若い赤:カベルネ・ソーヴィニヨンの若いワインのように渋みのしっかりした赤は、やわらかい豚肉の味を隠し、甘辛い煮汁と渋みがぶつかって苦く感じることがあります。
- 軽くて酸味の強い白:すっきりしすぎた白は、こってりした煮汁と脂に負けて水っぽく感じられます。白を合わせるなら、香りやコクのあるタイプを選びましょう。
- 甘口のワイン:煮汁の甘さにワインの甘さが重なると、全体が重たくなります。角煮には、辛口か、やや辛口のワインのほうが後味をすっきりさせてくれます。
よくある質問
豚の角煮で1本だけ選ぶなら?
メルロがおすすめです。定番の角煮はもちろん、角煮丼や煮卵入りの角煮にも合わせやすく、大きく外れません。和の甘辛い味に寄せるならマスカット・ベリーA、赤ワインが苦手な人と一緒ならロゼも便利です。
白ワインは合いますか?
合います。ただし、すっきり軽い白よりも、香りやコクのある白のほうが、こってりした煮汁に負けません。八角を使う中華風ならゲヴュルツトラミネール、塩角煮のようにあっさり煮るなら甲州がおすすめです。
脂っこさをすっきりさせたいときは?
酸味のあるワインを合わせると、口の中の脂を洗い流してくれます。赤ならピノ・ノワールのような酸味のきれいな軽めの赤、泡ならカヴァのような辛口のスパークリングワインも角煮の脂をさっぱりさせてくれます。
甘辛いしょうゆ味のほかの料理にも同じワインは合いますか?
合いやすいです。しょうゆと砂糖・みりんの甘辛い味つけは、すき焼きや鶏の照り焼きなどにも共通していて、果実味のあるまろやかな赤がよく合います。和食全体の合わせ方は和食に合うワインでも紹介しています。
ほかの料理に合うワインは、料理とワインの組み合わせ一覧から探せます。







