とろりとした黄金色で、ハチミツのような甘さを持つ貴腐(きふ)ワイン。世界でも特に貴重な甘口ワインのひとつです。
このページでは、貴腐ワインの造り方や代表的な産地、楽しみ方をやさしく解説します。
貴腐ワインとは?
貴腐ワインは、「貴腐菌(ボトリティス・シネレア)」というカビがついたブドウから造られる甘口ワインです。
条件がそろうと、このカビがブドウの皮に小さな穴をあけ、中の水分を蒸発させます。すると、ブドウは干しぶどうのようにしぼみ、糖分や香りがぎゅっと凝縮されます。このブドウを「貴腐ブドウ」と呼びます。
なぜ貴重なのか?
- 朝は霧が出て湿度が高く、昼は晴れて乾燥する、という特別な気候の産地でしか生まれない
- カビのつき方が房や粒ごとにばらばらなので、何度も畑に入って手で摘み取る必要がある
- 水分が抜けているため、ブドウからとれる果汁がとても少ない
- 天候に恵まれない年は、ほとんど造れないこともある
世界三大貴腐ワイン
ソーテルヌ(フランス・ボルドー)…主にセミヨンとソーヴィニヨン・ブランから造られる
トカイ(ハンガリー)…フルミントなどの品種から造られる「トカイ・アスー」が有名
トロッケンベーレンアウスレーゼ(ドイツ)…主にリースリングなどから造られる、ドイツの最高格付けの甘口ワイン
貴腐ワインの楽しみ方
- 温度:6〜10℃くらいに冷やすと、甘さがすっきり感じられます
- 量:小さめのグラスに少量ずつ。食後のデザートワインとして楽しみます
- 合わせる料理:フォアグラ、ブルーチーズ(ロックフォールなど)、フルーツタルト、焼き菓子
甘口ワインの選び方は甘口ワインの選び方でも紹介しています。
よくある質問
貴腐ワインは開けたら何日もちますか?
糖分が多いため、辛口ワインより日持ちしやすく、冷蔵庫で1週間ほどはおいしく飲めることが多いです。
日本でも貴腐ワインは造られていますか?
気候条件が合えば造られることがあり、日本でも少量ながら貴腐ワインが造られた例があります。
ほかの品種も見てみる → ブドウ品種図鑑(全40種類)
貴腐ワインができる条件
貴腐ブドウができるには、特別な気候が必要です。朝は川や湖からの霧で湿気が多く、ボトリティス・シネレアという菌が繁殖し、午後は晴れて乾燥し、ブドウの水分が抜けていく。この繰り返しが、数週間続くことが必要です。
このため、貴腐ワインは、川や湖の近くの産地で造られます。毎年必ず造れるわけではなく、天候に恵まれた年だけの貴重なワインです。
世界三大貴腐ワインの特徴
フランス・ソーテルヌ
セミヨン主体。ハチミツやアプリコット、トーストのような香り。
ハンガリー・トカイ
フルミント主体。高い酸味と、オレンジピールのような香り。ハンガリーもどうぞ。
ドイツ・トロッケンベーレンアウスレーゼ
リースリング主体。高い酸味と、凝縮した甘さのバランス。
ハーフボトルで気軽に
貴腐ワインは高価なものが多いですが、375mlのハーフボトルや、500mlのボトルで売られていることも多く、少しずつ楽しめます。開けてからも比較的長持ちします。







