イタリア・トスカーナの食後の定番、ヴィンサント。琥珀色に輝く、干しぶどうやナッツの香りの甘口ワインです。
このページでは、ヴィンサントの造り方や種類、ほかの甘口ワインとの違い、楽しみ方を、管理人が実際に飲んだ感想とあわせてやさしく解説します。
ヴィンサントとは?ひとことで言うと
どこのワイン?…イタリア・トスカーナ州を代表する伝統的なデザートワイン
ブドウは?…主に白ブドウのトレッビアーノとマルヴァジア
造り方は?…収穫したブドウを数か月陰干しして糖分を凝縮させ、小さな樽で何年もかけて熟成
味わいは?…琥珀色で、干しぶどう・ナッツ・はちみつ・カラメルのような香り。甘口が中心
どう飲む?…食後に少量ずつ。アーモンド入りのビスケット「カントゥッチ」をひたすのが定番
名前は「聖なるワイン」という意味です。教会のミサで使われていたから、という説がよく知られていますが、由来には諸説あります。
ヴィンサントの造り方
ヴィンサントの個性は、陰干しと長い樽熟成から生まれます。
- 陰干し:収穫したブドウを、風通しのよい部屋でワラのマットに広げたり、天井からつるしたりして、数か月かけて乾かします。水分が抜けて、糖分や香りが凝縮します。
- 小さな樽で熟成:搾った果汁は「カラテッリ」と呼ばれる小さな樽に入れ、何年もかけてゆっくり発酵・熟成させます。
- 空気にふれる熟成:樽をいっぱいまで満たさずに熟成させることが多く、その間に少しずつ空気にふれることで、ナッツやカラメルのような独特の香りと、琥珀色が生まれます。
陰干しのブドウから造る点は、ヴェネトのアマローネやレチョートと同じです。ただし、ヴィンサントは主に白ブドウを使い、長い樽熟成で琥珀色に仕上げるのが大きな違いです。
ヴィンサントの種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ヴィンサント(白ブドウ) | トレッビアーノやマルヴァジアから造る、もっとも一般的なタイプ。琥珀色で、干しぶどうやナッツの香り |
| オッキオ・ディ・ペルニーチェ | 黒ブドウのサンジョヴェーゼを主体に造るタイプ。名前は「ヤマウズラの目」という意味で、赤みを帯びた色からついた名前です |
| 辛口〜やや甘口のもの | 甘口が中心ですが、造り手によっては甘さを控えたタイプもあります。ラベルや説明で確認しましょう |
トスカーナでは「ヴィンサント・デル・キャンティ・クラシコ」など、産地の名前がついたヴィンサントもあります。キャンティの産地で造られるヴィンサントです。
ほかの甘口ワインとの違い
甘口ワインは、「ブドウの糖分をどうやって残すか・凝縮させるか」で造り方が分かれます。
| ワイン | 甘さの理由 | 味わいの印象 |
|---|---|---|
| ヴィンサント | ブドウを陰干しして糖分を凝縮 | 干しぶどう・ナッツ・カラメル。熟成による深み |
| 貴腐ワイン | 貴腐菌の働きでブドウの水分が抜ける | はちみつ・アプリコット。とろりと濃厚 |
| アイスワイン | 木になったまま凍ったブドウを搾る | フレッシュな果実味と、いきいきした酸味 |
| ポートなどの酒精強化ワイン | 発酵の途中でブランデーを加えて止める | アルコール度数が高く、力強い甘さ |
管理人が飲んだヴィンサント
管理人が飲んだのは、アンティノリの「ヴィンサント・デル・キャンティ・クラシコ」(2019年)です。評価は「美味しい」。
外観は琥珀色や銅色。香りは紹興酒のようで、とろりと淡い味わいに、干しぶどうのニュアンスが広がりました。デザートワインはやはり美味しい!と素直に思えた1本です。
「紹興酒のよう」と感じたのは、長い熟成で生まれる、少しナッツのような香ばしさのためだと思います。ふだん赤ワインばかり飲んでいる人にも、食後の1杯として試してほしいワインです。ほかに飲んだイタリアワインの感想は管理人のワイン日記にまとめています。
ヴィンサントの楽しみ方
- 温度:10〜12℃くらいに軽く冷やす(ワインの温度)
- グラス:小さめのグラスに少量ずつ注ぐ
- カントゥッチと:アーモンド入りの固いビスケットをヴィンサントにひたして食べるのが、トスカーナの定番
- ほかに合うもの:ナッツ、ドライフルーツ、ブルーチーズや熟成したチーズ、ナッツやキャラメルを使ったお菓子(チョコレートに合うワイン)
- 開けたあと:甘口で少量ずつ飲むワインなので、栓をして冷蔵庫に入れ、数日かけて楽しめます
よくある質問
ヴィンサントは甘いですか?
多くは甘口です。ただ、長い熟成によるナッツやカラメルのような香りと、ほどよい酸味があるため、甘さだけが目立つ味わいではありません。甘さを控えたタイプもあります。
ヴィンサントはどこで買えますか?
イタリアワインを多く扱うワインショップや通販で見つかります。デザートワインなので、375mlや500mlなど小さめのボトルで売られていることも多いです。
トスカーナ以外でも造られていますか?
はい。トスカーナが有名ですが、ウンブリアなど周辺の州や、トレンティーノの「ヴィーノ・サント」のように、ほかの地域でも陰干しブドウの甘口ワインが造られています。




